58話 ページ13
クィディッチの会場はまだ試合前だと言うのに既に盛り上がっていた。
冬だと言うのに、ぶわりと熱気を孕んだ観客席は各々が各寮の応援グッズを手にしている。もちろん、ハーミー達も例外はなく、ハリーを応援する弾幕にメガホン、その他もろもろを手にしている。
ようやく試合が始まる、そんな時にドスンドスンという音と共にハグリッドがやって来てハーミーとロンの座っている横に座ろうとする。どうやら、ここ以外既に満席らしい。
じゃあ仕方ないね、と話していればとっくのとうに試合は始まっていたらしく、アンジーが、そしてレギュがクアッフルをゴールに入れていく。
「レギューーーー！！かっこいいわよ！！！」
反響魔法でわざと声を響くようにすれば、レギュは呆れたように、鬱陶しそうにしながらもコチラにウィンクを贈ってくれるのだから本当に優しくて仕方ない。ふふ、と小さく笑っていれば、視界の端でハリーがスリザリン生に体当たりされていた。
あぁ、今からあの場面がやってくるのだ。先程まできゃーきゃーと騒いでいたのに、突然私が黙り、ハリーを凝視していることに不思議がったのか、ロンが声をかけようとしたのと同時に、ハーミーが声を上げた。ロンには悪いけど、実にナイスタイミングだよ、ほんとに。
「ねぇ、ハリーの箒の動き、おかしいわ！誰かが邪魔をしているのよ！！」
ハーミーの声でバッとロンがハリーを見た時、ハリーは既に箒から落ちそうだった。ロンが悲痛そうにハリーの名を呼ぶのと同時にハーミーは再び、今度は私たちにだけ聞こえるようにひっそりと喋る。
「見て、スネイプがなにかしているのよ、絶対」
「……セブルスだけじゃないわ、クィリナスも、ほら。口を動かしてる」
「そんな……じゃあどっちが……！？」
そうこうしている間にハリーは今にも落ちてしまいそうだ。私がクィリナスのことを伝えてしまったばかりにどちらが本当に術をかけているのか分からなくなってしまったらしい。しょうがない、そう思った私はハーミーに分担しましょう、と提案する。
いいわね、それ！とこの提案を受け入れてくれたため、ハーミーは、そして私はこっそりと観客席から抜け出した。原作ならば、セブルスのマントに火をつけたあとクィリナスにぶつかるのだがそうなるとは限らない。
ハーミーが火をつけるのと同時に、私はクィリナスの足元に火花を散らし、脚をもつれさせ、気を散らさせることにしたのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひな(プロフ) - 更新なされないんですか？レギュラスの話あまりなくてこの話見つけてとても楽しく読まさせていただいてたんですけど笑 (2020年5月3日 13時) (
レス) id: b1d986a2cc (このIDを非表示/違反報告)
さゆら(プロフ) - りんなさん» りんなさんコメントありがとうございます！ 更新が超不定期で申し訳ありません。一気に読んで頂けて嬉しい限りでございます！ またうちの子達を動かしていこうと思いますので、ぜひお楽しみください！ (2019年5月29日 1時) (レス) id: 7dbd51c71f (このIDを非表示/違反報告)
りんな - とても面白くて一気に読んでしまいました！更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年1月22日 22時) (レス) id: 1df12e5f71 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さゆら | 作成日時：2018年12月21日 2時
