48話 ページ2
息の詰まるような緊張した空間、クィレルとすれ違いそのまま立ち去れる―と思ったその時だった。
普段からは信じられぬような速さでアリスの手首を掴み無理やり自身の方に体を向けさせる。
「Ms.パーキンソン。いえ、親しみを持ってアリス、とお呼びしましょうか」
「それは光栄ですわ、でしたら私もクィリナス教授、とお呼びしても宜しいでしょうか？
ところで何の用ですか、そんなに強く握られちゃ痛いですよ」
ギリギリと締め付けられる手首は細くしなやかで象牙のように綺麗な白であった。
そんな少女の手首を全力で掴んでいるものだから折れそうで仕方が無い。パッと手を払い背中に隠すと、白い肌は紅く跡が着いている。
「構いませんよ
それで、気づいているのでしょう？この後ろにいるご主人様を」
「えぇ。闇の帝王……ヴォルデモートね
改めて初めましてね、貴方は知らないでしょうけど随分とお世話になったわ
それで？私を始末でもする？」
ジリジリと後ろに下がる。
彼女を束縛するような視線がほんの少しほかの場所を映した。「いえ」そうクィリナスが言おうとした時だった。
ばっ、と後ろを向いたアリスは全速力で走り出す。階段がなく、逃げ場がないと思い余裕顔のクィリナスは「逃げ切れると？」などと独りごちていた。
然し、彼は知らない。
この先の、突き当たりのドアを開けると階段が術で隠されていることを。
彼女が魔法式を破壊できることを。
突き当たりのドアを開けると壁だった。
まるで、そう。アリスは逃げ場がなく困っているかのように立ち往生しているとしたり顔でクィリナスは歩み寄り、そして彼女の首を掴み宙に浮かす。
「残念でしたね？
私もここで貴女が死んでしまうのは困るのです。ですから2つの選択肢をあげましょう
1つは闇の陣営の人間になること。
もう1つは今ここで貴女という存在を記憶から消し私達と共にホグワーツから消えること。
どちらになさいます？」
「ふふ、残念なのは貴方の方よクィリナス
まさか私が逃げきれないとでも？
さて、一つだけ吉報をあげるわ、私は貴方のこと誰に言うつもりもないわ。精々成長の糧になってちょうだい…ねっ！」
ブンっと体を揺らしたかと思えばクィリナスの横腹に思いっきり当て、怯ませる。
そのまま開いた階段に飛び降り踊り場で『アパリション』とアリスは唱えた。
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ひな(プロフ) - 更新なされないんですか？レギュラスの話あまりなくてこの話見つけてとても楽しく読まさせていただいてたんですけど笑 (2020年5月3日 13時) (
レス) id: b1d986a2cc (このIDを非表示/違反報告)
さゆら(プロフ) - りんなさん» りんなさんコメントありがとうございます！ 更新が超不定期で申し訳ありません。一気に読んで頂けて嬉しい限りでございます！ またうちの子達を動かしていこうと思いますので、ぜひお楽しみください！ (2019年5月29日 1時) (レス) id: 7dbd51c71f (このIDを非表示/違反報告)
りんな - とても面白くて一気に読んでしまいました！更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2019年1月22日 22時) (レス) id: 1df12e5f71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さゆら | 作成日時：2018年12月21日 2時
