38話 ページ41
(セドリックside)
隣に座った姫と呼ばれる彼女は風を感じるかのように目を瞑る。
その姿は息を呑むほど美しくて、暫く見とれてしまうほどだった。
「どうかしたの？セドリック」
「なんでもないよ」
薄らと瞳を開け太陽の光で深い緑の瞳が輝く少女は、世界と一体化するかのように微笑む。
これ以上彼女を眺めるのを止めるため、手元の本に無理やり意識を持っていく。
ふと、急に肩に重みが掛かる。
それを理解するのに多くの時間はいらなかった。目を瞑っていた彼女は僕の肩に寄りかかりすやすやと眠る。耳下には可愛らしい僅かばかりの寝息が聞こえていた。
「はぁ…この状況で集中しろとか、無理じゃない？
この子のパートナーって噂のレギュラス君、どんだけ大変なんだよ」
「ええ、大変ですよ」
誰につぶやくでもなく、ただの独り言に返事が返ってくる。
返事をした相手は、先程話題に出たレギュラス君だった。
「大変です。毎夜毎夜ベッドに勝手に潜り込みますしこちらの気もしれないで狡い女性だと思いますよ…
あぁ、そのままにしていてあげてください
アリス、昨日よく寝てなかった様ですしそれに、彼女起こすと機嫌悪くなるんですよ」
なんて、哀れそうに見る歳下に主導権を取られ、何も出来ないうちに彼はどこかに行ってしまう。
通り掛けの夢見がちなレイブンクロー生が「姫を巡って騎士と王子の戦い！？」「きゃー！！」「でも王子(レギュラス)の方が優勢だったわね！姫を置いていくって言うのは余裕のなせる技かしら！」なんて言っていたが気にしない。
……1つ、訂正していいのならば彼は、レギュラス君は余裕がある訳では無いように見えた、とだけだろうか。まぁどうでもいいのだが。
数時間後、空気が冷たくなり、7限の終業の鐘が鳴ると同時にアリスは起きた。
「……ごめんなさいセドリック
また、会いましょうね」
何事もなかったかのように立ち上がり、制服のシワを伸ばしてから大広間の方へと向かう少女。
本当に、誰がどの角度から見てもいつも通りだった。でも彼女の耳だけが赤く色付いていた事実は僕だけが知っている──
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どうもさゆらです
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ルナ(プロフ) - うーんちょっと気になったのですが夢主の精神年齢16歳っておかしくないですか？死んだのが16なら、転生して11まで夢主としての意識があったことを考えると27歳が適当であると思います！ (2019年1月6日 19時) (
レス) id: 41ff75f65c (このIDを非表示/違反報告)
さゆら(プロフ) - レモンさん» 初めましてレモンさん。コメントありがとうございます！ その言葉がとても励みになります、これからもご期待に添えるよう緩ーく頑張りますね！ (2018年12月22日 18時) (レス) id: 7dbd51c71f (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、最初から読みました。とても面白かったです！今後も楽しみにしてます！ (2018年12月21日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
さゆら(プロフ) - 悠寿さん» 初めまして悠寿さん、コメントありがとうございます。さゆらです。 そうですね、正しくは『11歳』ですね、こちらの落ち度です、訂正しておきました。わざわざ教えて下さり、ありがとうございます！ これからもぜひ、作者共々よろしくお願いします！ (2018年12月21日 2時) (レス) id: 7dbd51c71f (このIDを非表示/違反報告)
悠寿(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます！43話の13歳なんだから…ってところなのですが入学が11のはずなので11なのでわ？間違ってたらすみません！ (2018年12月20日 16時) (レス) id: ef560d4eb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さゆら | 作成日時：2018年2月28日 2時
