第43話 ページ44
やはり、私の思った通りで、少し苦笑した。
拓磨は心配性だ。
私が。この謎ときが危険なことはわかっていない訳では無い。
そのこともきっと拓磨はわかっている。
でも、それでも私に真っ向から反対してまで心配する。
心配の仕方が多少不器用だとは思わないでもないが、そこまで心配するというのも拓磨らしいといえば拓磨らしい。
私は心穏やかに、返信を打った。
彼はそういう人だ。
そう割り切れば憤りも感じない。
『心配してくれてありがとう。私がそれでもやめないってわかってるようだけど、私はやめないよ。せっかくここまで掴んだんだもの。最後まで謎を解くよ。』
間違いがないか少し確認し、送信ボタンを押す。
既読をすぐに付けた拓磨は、あまり時間を開けずに返信した。
『わかってるよ。応援はしてるよ。ただ、危険だということは忘れないでね。』
なお釘をさす拓磨に、私はすぐに返す。
『うん。ありがとう。』
会話をおわらせるつもりで返信した。
既読はすぐについたが、少し待っても返信はなかった。
会話を終わらせようとしたことをわかってくれたのだろう。
私はメッセージアプリを閉じ、携帯の電源を消して机に戻した。
天井を仰ぎ、ふぅ...とため息をつく。
テレビに映る画面はすっかり私の興味のないものに変わっており、私はリモコンに手を伸ばして電源を切った。
とりあえず今私にできることは、状況を整理することだけだ。
2日後の役所に行く日まで、出来るだけ情報を整理し、スムーズに調査を進めることができるようにすること。
あまり長引いてしまっては、受験にも響く。
いち早く終わらせたい。できれば、夏休み中には...。
私は体にぐっと力を入れ、ソファから立ち上がった。
そして部屋に向かうと、バッグから一冊のノートを取り出した。
これは、今回の謎解きのために作ったノートだ。
メモをしたり、情報を整理したりしている。
私が今調べていることは、おそらく軽々しく口外していいものでは無い。
出来るだけ情報はこのノート一冊に収め、情報漏洩を防ごうというわけだ。
部屋は暑い。
私はノートと一緒に筆箱も持って再びリビングに行った。
机に座ってノートをめくると、既に半分まで使っていることに気がつく。
その殆どは乱雑に書いたページが占めているのだが...。
シャーペンを持って芯を出すと、前のページを見ながら情報まとめを始めた。
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fruit(プロフ) - 鳥の子さん» うわぁぁぁぁ嬉しいお言葉ありがとうございます!!そして読みに来てくださってありがとうございました!!自分の作品をこんなに好きって言って貰えるとすごい嬉しいのですね...いますごくテンション上がってます笑コメントもしてくださってありがとうございました!! (2020年1月26日 0時) (レス) id: dc8b637267 (このIDを非表示/違反報告)
鳥の子(プロフ) - 一通り読んで参りました……!好き……。余りにもLOVE過ぎて……。もう説明文の所から夢主ちゃんの覚悟が伝わってきて、けれど最終的には後悔してしまうのだろうな(覚悟ほしていたけれど)とか思っちゃうとLOVE……。更新頑張られてください!! (2020年1月18日 17時) (レス) id: fababa1230 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 凛奈さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!!凛奈様のような読者様がいらっしゃるので頑張れるわたくしです。これからもどうぞよろしくお願い致します!! (2019年5月28日 17時) (レス) id: 479b2f8b1f (このIDを非表示/違反報告)
凛奈(プロフ) - 更新楽しみにしてます!すんごい面白いし、好きです!! (2019年5月28日 6時) (レス) id: 225bb681ca (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 花風雪 サブありさん» うわぁぁ嬉しいコメント!!!読んでくださって本当にありがとうございます!!!今はテスト前で少し更新をお休みしていますが、来週からまた再開します!まだまだ続きますよ〜!?これからもよろしくお願いいたします!!! (2019年5月26日 7時) (レス) id: 479b2f8b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2019年3月4日 22時