第23話 ページ24
私はぐっと手に力を入れた。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
お母さんの腕も一緒に力強く握っていたようで、私は咄嗟に手を退けた。
「あ、ごめん。」
私がそう言うと、お母さんは変な子、と言いながら家事を再開した。
私はテーブルに戻って再び椅子に座った。
凜が、ママ、と呟いた。
おかしい。
だって凜は、凜のお母さんのことを
...お母さん、と呼んでいたはずだ...。
何回家に行っても、私の前でも友達の前でも凜は彼女の母をお母さん、と呼ぶ。
ママなんて聞いたことがない。
凜本人だって、お母さん呼びだと言っていた。
なのに、どうして彼女がママ、と言うのか。
もしかして
もしかして
本当にそんなことが...
私は勢いよく立ち上がり、リビングを出ようとした。
「あたっ」
ドアに手をかけた瞬間足をぶつけ、顔をしかめる。
「ちょっと、落ち着いてよ。気をつけてね。」
またお母さんに呆れ顔をされ、はは...と笑い流す。そして直ぐにドアを引いてリビングを出た。
そのまま部屋に向かい、机の上で充電している携帯電話を手に取る。
私はすぐさま携帯を開き、電話のキーパッドを画面に表示する。
何回もかけたことがあるためすっかり覚えてしまった電話番号を入力し、通話ボタンを押す。
もし私が考えていることが当たっていたら...
そうしたら凜は相当大きな悩みを抱えててもおかしくはないことになる...
私の知らない凜が
1人で抱え込んでいた悩みがあった...
それまで続いていた無機質な機械音が、プツリと切れた。
そして、直ぐに電話の向こう側から声が聞こえる。
「...はい、山田です。」
「っ...こんにちは、斎藤春美です。」
凜の家に電話をすると、さほど時間はかからないうちにつながった。
私は一言挨拶をすると、直ぐに本題へと入った。
「春美ちゃん...1週間ぶりぐらいかしら。なにか御用?」
「突然お電話してすみません。またお話をしたいことが出来たのですが、お時間いただけないでしょうか...」
「え..えぇ、もちろん。うちは基本空いてるから、春美ちゃんの好きな時を教えてちょうだい。」
あっさりOKをもらい、少し驚きながら私は答えた。
「私も夏休みで基本暇です。いつでもいいのですが出来るだけ早い方がいいので...」
明日がいいです。
そう言おうとしてためらった。
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fruit(プロフ) - 鳥の子さん» うわぁぁぁぁ嬉しいお言葉ありがとうございます!!そして読みに来てくださってありがとうございました!!自分の作品をこんなに好きって言って貰えるとすごい嬉しいのですね...いますごくテンション上がってます笑コメントもしてくださってありがとうございました!! (2020年1月26日 0時) (
レス) id: dc8b637267 (このIDを非表示/違反報告)
鳥の子(プロフ) - 一通り読んで参りました……!好き……。余りにもLOVE過ぎて……。もう説明文の所から夢主ちゃんの覚悟が伝わってきて、けれど最終的には後悔してしまうのだろうな(覚悟ほしていたけれど)とか思っちゃうとLOVE……。更新頑張られてください!! (2020年1月18日 17時) (レス) id: fababa1230 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 凛奈さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!!凛奈様のような読者様がいらっしゃるので頑張れるわたくしです。これからもどうぞよろしくお願い致します!! (2019年5月28日 17時) (レス) id: 479b2f8b1f (このIDを非表示/違反報告)
凛奈(プロフ) - 更新楽しみにしてます！すんごい面白いし、好きです！！ (2019年5月28日 6時) (レス) id: 225bb681ca (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 花風雪 サブありさん» うわぁぁ嬉しいコメント!!!読んでくださって本当にありがとうございます!!!今はテスト前で少し更新をお休みしていますが、来週からまた再開します!まだまだ続きますよ〜!?これからもよろしくお願いいたします!!! (2019年5月26日 7時) (レス) id: 479b2f8b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fruit | 作成日時：2019年3月4日 22時
