第142話 ページ10
No side
廊下には、コツコツと足音が響く。
あまりに静寂すぎて、アリオンの使いは緊張している。
「あ・・・の、本当にいいのでしょうか?」
その言葉に、ファナッカの使用人は不思議そうな顔をした。
「あなたが2人きりがいいと言ったのでしょう?」
「は・・・まあ、そうですけど・・・まさか本当に2人だけとは・・・」
「いけませんか?」
「いいえっ!!2人だけとは、1番望んだ形でしたが・・・」
「何を不満に思ってるんですか。」
「2人きり・・・って、自分で言うのもなんですが危険ですよ。」
「あなたは危険なのですか?」
「危険じゃないですよ?じゃないですけど、ファナッカ国側からすると、危険だなぁって。もしアリオンに使いの者が2人きりで話したいと言って来ても、絶対反対ですよ。」
「私も危険だと思いますよ。本当は嫌です。」
「ですよね・・・。やっぱり使用人は考えることは一緒なんですかね。」
アリオンの使いがそう言うと、ファナッカの「使用人」は突然止まった。
「・・・?どうされました?」
アリオンの使いが聞くと、ファナッカの「使用人」はふふっと微笑した。
「私のことは聞いていませんでしたか?」
「え・・・?」
「何を隠そう、私は使用人ではありません。が、アリナレオンバートの城には一度伺ったことがありますよ。」
「アリオンに!?・・・ラサゴベア様と?」
「ええ。」
そう言うと、「使用人」は、またふふっと笑った。
「私は少し特殊なんです。」
「特殊・・・。ファナッカ国民でないとか?」
「ははっ。まあ、そんなところです。」
「え・・・」
「さっ。ラサゴベア様のお部屋に到着です。」
「あ、はい。ありがとうございました。」
そう言うと、「使用人」ではなかった特殊な人は、コンコンと部屋のドアをノックした。
「ラサゴベア様。連れて参りました。」
ラサ「あっ。入ってください。」
ラサゴベアがそう言うと、特殊な人はどうぞ、と言ってドアを開けた。
「あっ、ありがとうございます。」
アリオンの使いは、失礼しますと言って中に入った。
ドアを閉める前、アリオンの使いは礼を言った。
「ありがとうございました。」
「いいえ。リベラ様によろしくお伝えください。」
「リベラっ・・・!様・・・。」
特殊な人ーー【和服を着た人】は、
微笑して廊下を歩いていった。
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fruit(プロフ) - ましらさん» もう・・・!何よりの励みになります!!本当にありがとう!いつもいつも支えてくれてありがとう! (2016年12月7日 23時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
ましら(プロフ) - fruitさん» 分かった!fruitちゃんとこの作品は、ずっと追いかけるから!更新遅くなるなんて関係ないよ!更新速い作品だけが良い作品ではないもん。がんばれー! (2016年12月7日 15時) (レス) id: 512c5a6245 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - ましらさん» 初コメありがとう!!!更新はこれからどんどん遅くなって行くと思うけど・・・どうか最後までお付き合いください!これからもよろしく! (2016年12月6日 21時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
ましら(プロフ) - 続編おめでとう!fruitちゃんは更新速いし色々楽しませてくれたり凄い作者さんだよ!続きを待ってます! (2016年12月6日 16時) (レス) id: 512c5a6245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fruit | 作成日時:2016年12月5日 20時