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第145話 ページ13

リベラside

しばらく経つと、髪をまとめながらルナナが口を開いた。

ルナナ「・・・リベラ様。」

意外にも中々軽いトーンだった。

リベラ「んー?」

ルナナ「正直のところをお話ししてもよろしいでしょうか?」

リベラ「正直・・・?いいわよ。」

明るめのトーンは変わらず、そこまで重い話ではないだろうと思った。





矢先。

ルナナ「・・・本当ですか?」

突然重々しい口調に変わった。


私は少し驚いたが、正直な話、というのが気になっていた。

リベラ「もちろん。」

ダメなわけがない。

使用人とか王女とか関係ない。

正直な話は、聞きたい。

もっと近い距離で関わりたい。

ルナナ「では。」

私の答えを聞いて、ルナナは言った。

さっさっさと髪をまとめ上げ、キュッと結んだ。




ルナナの話が始まる・・・

と思っていたが、少し待っても始まらなかった。

私は自分から話題を切り出そうと思い、ルナナの方を向きながら言った。

リベラ「・・・で?正直な話って」









ルナナの正面を向いた瞬間

ハッとした。






ルナナが声を殺して泣いていたのだ。

私は思わず勢いよく立ち上がった。

リベラ「ルナナっ!!」

ルナナ「いえ・・・グスッ・・・すいません・・・」

リベラ「ルナナっ・・・どうし・・・」

ルナナ「すみません・・・。」

ルナナはただすみませんと謝る。

頑張って涙を止めようとしながら。

リベラ「ルナナ?どうしたの?」

私は心配になり、訳を聞いた。

すると、ルナナは途切れ途切れの声で答えてくれた。

ルナナ「ただっ・・・リベラ様の・・・。」

リベラ「私の?」

自分の名前が出て来て、意外だった。

ルナナ「学校が・・・最後でっ・・・。」

リベラ「うん。」

ルナナ「リベラ様に触れられるのが・・・あと少しだと思うと・・・寂しくて寂しくて・・・」








その瞬間、ルナナの涙が、一気に溢れ出した。



ルナナ「行かないでっ・・・ほしいっ・・・」




ああ

こんなにも

優しい人がいて

私がここを離れていくのを

泣いてくれる人がいる





私は顔を必死で覆い隠すルナナの腕をとった。

ルナナ「えっ・・・?」

ルナナはグシャグシャの顔で私の顔を見た。

私はルナナに笑顔を向け









その腕を引き、抱きしめた。

ルナナ「ーーーーー!!!」

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fruit(プロフ) - ましらさん» もう・・・!何よりの励みになります!!本当にありがとう!いつもいつも支えてくれてありがとう! (2016年12月7日 23時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
ましら(プロフ) - fruitさん» 分かった!fruitちゃんとこの作品は、ずっと追いかけるから!更新遅くなるなんて関係ないよ!更新速い作品だけが良い作品ではないもん。がんばれー! (2016年12月7日 15時) (レス) id: 512c5a6245 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - ましらさん» 初コメありがとう!!!更新はこれからどんどん遅くなって行くと思うけど・・・どうか最後までお付き合いください!これからもよろしく! (2016年12月6日 21時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
ましら(プロフ) - 続編おめでとう!fruitちゃんは更新速いし色々楽しませてくれたり凄い作者さんだよ!続きを待ってます! (2016年12月6日 16時) (レス) id: 512c5a6245 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fruit | 作成日時:2016年12月5日 20時

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