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第57話 ページ17

リベラside

私が迷っていると知って、ついにキリトの顔が動いた。

「行かないでください!アリオンが終わります!」

ルナナはそう言った。

「マナがいるわ。」

私がそう言うと、マナはすぐ否定した。

「私は無理です。経験が足りません。」

ラフは顔をゆがめて言った。

「ラサゴベアの思い通りになるのですか...?」

「それでみんなを守れるなら。」

「リベラ様・・・」


不安を隠しきれない顔をする使用人たち。
私は少し間を開けて言った。

「...でも、私が光の族に行くとなると、やっぱりここが危ない。」

「だから迷ってるんですか?」

私はマナの目を見て返す。

「ええ。」


静寂が、広間を包む。
みな苦しそうな表情を浮かべて下を向いていた。

私は静かに口を開いた。

「・・・もうこれで全部話したわ。決断にはまだ時間がかかりそう。もう少し、私に時間を頂戴?」

そう言うと、使用人たちは口を揃えて言った。

「はい。」

「じゃあ、それぞれ仕事に戻りましょう。」

キリトの一声で、みんなはバラバラ動き出した。



さっきの沈黙はなんだったのかというほど、何もなかったかのように、1日が始まった。

さあ、ゆっくり考えなきゃ。
部屋に戻って、メリットとデメリットを書き出そう・・・。

私は立ち上がり、広間を出て、廊下を歩く。



部屋までは少し距離があり、色々と考えながら歩いた。
廊下に飾られる家族写真を見るなり、過去を思い出す。


母様・・・
私はどうすべきでしょうか。

魔力は、一生扱いたくない。
ファナッカに行けば、魔力が戻ることはないだろう。

どう炎を光に組み込むかは知らないが
私が炎の力を持つことはおそらくない。



リニャーノに相談でもしてみるか...?
いや...私がリニャーノの元に行くことは不可能。

リニャーノに会いに行くなんて言ったら、絶対止められる。

あちらから来るのを待つか

でも、そうすると私のところに来ることになり、城でも学校でも、みんなが危ない。

どうしたものか...



キリトたちに相談するのもいいけど

私のことを思って、きっと私にとってのベストを提案してくる。

多分自分たちはどうでもいいという意見を言うだろう。

「私たちはどうなろうと構いません!リベラ様が助かればいいのです!」

想像できる。
目を瞑るだけで想像できる。

どうしよう...
やっぱり1人で決断を下すしかないのか...



母様

父様

私に答えを教えてください...

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fruit(プロフ) - アリスティーナさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!こんな昔の作品を掘り起こして頂いて、しかもそんな素敵なお言葉ありがたい限りです...少しずつ暇を見つけながらまだまだ修正していく予定ですので、もっと上手くかけるよう頑張ります。コメントありがとうございました! (2021年6月1日 17時) (レス) id: 9e79a81734 (このIDを非表示/違反報告)
アリスティーナ(プロフ) - 面白いです!!!!書き方教えて頂きたいくらいです!! (2021年5月31日 12時) (レス) id: c1ac6cc63c (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - あいさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません...!とても嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!少しずつ直しておりますので、もっと素敵なお話にできるよう頑張りたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 素敵な話ですね (2021年1月19日 17時) (レス) id: 1883dbefc1 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 月夜桜さん» おおーーありがとうございます!とても嬉しいです!! (2018年1月14日 19時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fruit | 作成日時:2016年8月11日 0時

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