第55話 ページ15
リベラside
私は、はいはいと言って続けた。
「ファナッカ国知ってるでしょ?そこの国王よ。ラサゴベア。」
ガタッッッ
大きな音を立てて使用人のひとりが突然立ち上がった。
びっくりしたぁ。
「ちょ・・・何よ」
「いいえ、すいません。驚いたもんで。」
「そんなに驚くこと?」
「驚くことです!」
皆がしきりに頷く。
唯一冷静なキリトは、目を細めて言った。
「で、何をされたのですか?」
「え」
私はすぐ答えられなかった。
結構いろいろなことをされた。
でも全部言うわけにはいかない。
迷惑かけたくない・・・
そう思っていると、キリトがまた口を開いた。
「リベラ様。迷惑をかけたくないとか思わないでくださいね。迷惑なんて思ってもみません。私たちは聞かされているのではなく、聞いているのです。聞きたくて聞いているのです。全部話してください。」
そう言ったキリトに、みんなが続いた。
「迷惑じゃないです!」
「リベラ様には頼っていただきたいのですよ!」
「いつもお一人で抱えて・・・たまには私たちにも分けてください!」
また皆がしきりに頷く。
「皆・・・」
私は幸せ者だ。
こんなに優しい人たちに囲まれて・・・
「わかった。全部話すわ。」
私はそう言って、深呼吸をしてから始めた。
「・・・私は学校にいたの。でも、何かの気配を感じて、城に帰ってきた。やっぱり気配は的中で、城に近づくにつれてどんどん強くなっていった。そして、城についたときに、この気配は私の部屋からだって気づいたの。私は急いで部屋に向かった。そして、部屋のドアを開けたら・・・ラサゴベア、そうね。正しく言えば、ミオに化けたラサゴベアがいた。」
「っ...!?」
部屋に動揺が広がる。
キリトは怪訝な顔をして呟いた。
「...悪趣味。」
私はキリトを無視して続けた。
「そこから、私はすぐにミオじゃないって気づいたんだけど、攻撃されて、名を聞いたら、ファナッカの国王、ラサゴベアと言ったの。それで」
「お待ちください。重要なところをサラッと流さないでください。」
キリトは突然私を遮ってそう言った。
こいつは鋭い。
私は平然として聞いた。
「なに?重要なところって」
「攻撃されて、ってなんですか。」
ちっ
気づきやがった
私はぼそっと言った。
「魔力よ。リニャーノより強かったわ。」
「ええ!??」
今度はいろんな人が突然立ち上がる。
14人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fruit(プロフ) - アリスティーナさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!こんな昔の作品を掘り起こして頂いて、しかもそんな素敵なお言葉ありがたい限りです...少しずつ暇を見つけながらまだまだ修正していく予定ですので、もっと上手くかけるよう頑張ります。コメントありがとうございました! (2021年6月1日 17時) (レス) id: 9e79a81734 (このIDを非表示/違反報告)
アリスティーナ(プロフ) - 面白いです!!!!書き方教えて頂きたいくらいです!! (2021年5月31日 12時) (レス) id: c1ac6cc63c (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - あいさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません...!とても嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!少しずつ直しておりますので、もっと素敵なお話にできるよう頑張りたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 素敵な話ですね (2021年1月19日 17時) (レス) id: 1883dbefc1 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 月夜桜さん» おおーーありがとうございます!とても嬉しいです!! (2018年1月14日 19時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:fruit | 作成日時:2016年8月11日 0時