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影山「…俺も中学ん時似たような理由でベンチに下げられたことがあった」
「え、あんな上手いのに?」
あんな才能の塊みたいな人がベンチに下がる必要なんてあるのだろうか。と考えてみるも何も思い浮かばない。
影山「セッターってのはスパイカーに合わせてボールを上げないといけねえんだけど中学の俺はスパイカーがセッターに合わせるのが普通だと思ってた」
影山「上げたボールを誰も拾わなかった時はなんつーか嫌、だった」
影山はぎゅっと拳を握っている。それほど、苦い思い出だったのだろう。才能の塊だったのにベンチに下げられて宝の持ち腐れにされてしまう。
「でも、それに気付くことができてしかも直そうとしてるのってめっちゃ凄くない?」
影山はハッとした顔で私のことを見た。
「普通の人ならそこで私みたいにあーもういいやってなってると思うけど影山みたいにバレーが大好きでバレー命って感じの人しかできないことだと思う」
私が思ったこと、体験したことを元に影山に伝えると隣にいた影山は私に向き合う。
「えどした?」
影山「…なんか、ありがとな」
影山は少し照れくさそうに地面を見ながら私にお礼を言った。
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作者名:らう | 作成日時:2024年3月25日 15時