どうせ今だけ【月島蛍】 (ページ36)

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私が怪我をしたところに柔らかいものが当たった。
上を見上げると、両手をポケットに突っ込みながら不服そうな顔をしていた。

月島「言葉で覚えれないならどうするべきかな？」

その言葉の意味を理解するまでに時間がかかる。月島がだんだん私に近づいてくる。

「お、落ち着こ。ツッキー」

月島「僕はヒジョーに落ち着いてるけど。君が落ち着いてないんじゃない？」

月島「そもそも僕、君に結構アピールしてたと思ったけどまだ足りない？」

話しかけてくる月島に目なんて合わせれることもできなくて私は目線を下げる。それに気付いた月島は顎を掴んで無理矢理私と目を合わせる。

ダメだ、私今顔真っ赤だ絶対。

月島「僕はAが好きなんだ」

こんなに熱い感情を一気に注がれて頭がくらくらする。

月島「……君は？」

「……私は…まだ、わかんない…」

こんな曖昧な返事をして申し訳ないけど今の私には好きという感情が分からない。こんなに愛を伝えてくれる人なんて、今までにいなかったから。

月島「分かんない、か…」

ふむ、と考え込むようなポーズをしてから月島は私に向き合う。まだ顔の熱が収まらない。

月島「じゃあ気持ちの整理がついたらまたその答えは聞くよ……よく考えてね」

じゃあ、と手を挙げて月島は自分の帰路へとついた。