どうせ今だけ【月島蛍】 (ページ31)

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月島は慌てて私から身体を離してメガネをかけ直す。菅原先輩に見向きもしないでそのまま何事も無かったかのようにコートに戻って行った。

その様子を見ていた菅原先輩がこっちに小走りでやってきた。

菅原「何してたんだよ〜！！」

肘で私のことをつついてくる。

絶対にこの人見てたのに私の口から言わせようとしてきてるのがバレバレだ。

さっきの月島の顔が頭から離れない。月島、耳赤くなってた気がする、逆光であんまり見えなかったけど。

「……月島って私の事好きなんですかね？」

菅原「……はあ！？」

菅原「何お前、知らなかったの！？ねえなんで！？鈍感なの！？鈍感ちゃんなの！？」

菅原先輩は私の両肩を揺さぶりながら、有り得ないという顔をしている。

体育倉庫の騒ぎを聞きつけた田中先輩はまあまあと菅原先輩を落ち着けたところで話を聞いてきた。

菅原先輩が一部始終を話すと田中先輩は私の両肩を掴んで揺さぶってきた。

田中「お前ｯまじかよ！？」

「え、そんなにわかりやすいですか月島」

本当に分かってなさそうな私を菅原先輩と田中先輩は目を合わせてはあ、とため息をついた。

だって分かんないもんは分かんないじゃんね？

菅原「お前が鈍感なのはよぉぉぉぉく分かった」

田中「俺たち先輩に任せときな」

田中先輩はびしっと自分のことを親指で指して自信ありげだ。一体何をするのだろう。

「いやてか！私月島のこと好きなんて」

菅原「まーまーいいから！」

俺に任せとけと言ってにかっと爽やかに笑う菅原先輩に何も言えないのであった。