七つの罪と子供たち (ページ1)

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おとぎ話ページ1

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＿＿＿＿昔々、世界は荒れ果てていました。

花は枯れ、野原は荒地へ、川は干からび、動物は餓死(がし)する

皆、日々を生き延びることだけに一生懸命でした。

…さて、いよいよ世界が破滅へ向かい始めた頃、不思議な力を持った者達が現れ始めたのです。

ある者は物理法則を無視してあらゆる物を意のままに操り、

ある者は水や粘糸を操り、身体の一部を水へ変貌(へんぼう)させ、

ある者は異常なまでの力を有し、その柔肌(やわはだ)を硬化させ、

ある者は天才ですら頭を悩ます問題をいとも簡単に解き明かし、

ある者は欲しい物を容易(たやす)く引き寄せ、

ある者は食べ物非るモノですら食(は)み、

ある者は人を誰かれ構わずに魅了する、

そう、人非る〝異能〟を持った者達が現れたのです。

摩訶不思議な現象はこれだけに留まらず、次は〝塔〟が空から現れました。

そこには結界のようなものが張ってあり、普通の人々や王族すらも入ることは出来ませんでした。

謎の塔に対し、絶望を感じ始めた時…一人の〝異能〟を持つ者がそれに挑みました。

そして、〝異能〟を持つ者が触れると＿＿＿＿

壁すら感じさせずに入ることが出来たのです。

人々はこれを見て天の情けだとおおいに喜びました。

王国は国を挙げて〝異能〟を持つ者達を探し求め、８人の〝異能者〟を探し出しました。

そして、塔に入れることを確認すると国民の前で声高に叫びました。

『皆、聞け！天は我々を見捨ててはいなかった！この者達が我々を救って下さるのだ！』と＿＿＿＿

〝異能者〟達は塔の中の捜索を王からの勅命として受け、帰って来た際の褒美を約束させ、中へと入って行きました。

〝我々を救って下さる救世主(メシア)様〟という、誉れ高き声を背に…

＿＿＿＿しかし、彼等が帰って来ることはありませんでした。

ですがなんということでしょう

花は咲き乱れ、荒地は芽吹くように蘇り、川は潤いを取り戻したのです。

彼等が世界を救ったのだ、と疑う者は誰も居ません。

それに代償が伴うとも知らず、愚かに喜びました。

それから数百年に一度、世界は破滅へ向かい始めます。

それを食い止めるかのように、異能を持つ救世主(メシア)も現れるのです。

それが何代かに続いて渡った頃、異能を持つ者は〝あること〟に気付き始めます。