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「君はまだ、基礎体力を付ける事から始めないといけないな!」
そう言って「ハッハッハ」と豪快に笑う炎柱様....いや..私はただの隠なんです....
素振りをし始める時点で、隠の頭巾は脱がせていただいたが、それでも息切れしながらうずくまる.....
「そう言えば、
............君は隠と言っていたな!」
あぁ....
やっと思い出してくれた....
『そうです!私は隠なんです!』
「そうか!隠をしながら剣士を志すとは感心感心!」
炎柱様は、
満足気ににっこりと微笑まれた....
え、いや違う....違います....
「君は家族と暮らしているのか?」
『いえ...家族は鬼に殺されました...』
「...そうか、申し訳ない事を聞いてしまったな...すまない」
『いえ!お気遣いなさらずに!』
炎柱様は眉が下がって
申し訳なさそうにされているので
私は慌ててそう伝えた。
「....ならば、この屋敷に住むといい!」
『.........は?』
「家族もおらず、俺の隠で継子ともなるのならば、この屋敷に住む事も、おかしくは無いだろう?」
『......え?..あの...え?..』
「俺も、この広い屋敷に1人とは寂しく思っていたのでな。丁度良かった!今までは、父と弟の千寿郎と3人だったからな。男とは言え寂しく思っていた事は不甲斐ないが、君が居てくれたら賑やかになる!」
そう言われる炎柱様は、本当にどこか寂しそうで、周りの温度も1℃位下がった様に感じた...
しかし、だ。私は隠であって剣士を目指しているわけではない。そして「俺の隠」と言われたが、今日は、たまたま私が来ただけで、専属として此処に来たわけでもないのです!
『お言葉ですが炎柱様...私は炎柱様の専属隠ではございません...』
「それならば、俺がお館様にそうなる様に進言しておこう。うむ!この話はこれでお終いだな!!さて、今日は俺は非番だ!一緒に君の家に荷物を取りに行こう!さぁ、案内するんだ!」
『....え?....いや、でもですね...』
「俺と一緒に住む事は嫌か?」
そう言われる炎柱様は、本当に寂しそうな顔をされていて、私も心苦しい気持ちになる...
『いや、そういう訳では....』
「ならば問題ないな!」
元気を取り戻した炎柱様は、またも豪快に笑われながら、屋敷の門の方へ行かれ「早く来るんだ!」と言われていた。
あ、あの...私はただの隠なんです!
継子は無理...
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京華(プロフ) - あさひゆうひさん» 寝てください。 (2021年6月25日 14時) (レス) id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - コメント失礼致します!笑いあり、切なさありのとても心暖まる作品でした…!お色気むんむん大人の煉獄さん!思わず悶て次のページが開くことができませんでした!眠いです。 (2021年6月25日 14時) (レス) id: 2af9c629e7 (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - さくらさん» ありがとうございますー!感動....出来たんですか(驚)少しでも笑って頂けていたのなら良かったです♪嬉しいお言葉ありがとうございます!私はさくらさん愛してますー!笑 感謝ァ! (2021年5月6日 17時) (レス) id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 京華さん、完結おめでとうございます(^-^)煉獄さんがさつま芋を焼きながら心を燃やせと言ってる場面が好きです(^-^)クスリと笑えて、感動もできて...京華さんのお話が好きだー! (2021年5月6日 14時) (レス) id: beec18da26 (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうございますー!完結できましたぁ!話を聞かない煉獄家に私も嫁ぎたいです♪感謝ァ! (2021年5月6日 14時) (レス) id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
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