空より遠く、海より近い【松岡凛】 (ページ23)

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いきなりどうしたんだと目を丸くする遥

遥「ない」

ですよね......

でもなんとなく安心

遥「それだけなら戻るぞ」

『はーい』

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プールに戻った後は驚くほど時間の流れが早かった。

どんな練習をしたのかすら、もうすでにほぼ覚えていない。

この後、ミーティング終わったら凛のところ行かなきゃ。

着替えて外に出るともう男子は集まりきっていた。

ミーティングはそこまで長引かず、比較的さっぱりと終わった。

真琴「じゃあ帰ろっか」

遥「ああ」

いや、私このあと用事あるから一緒に帰れないんだ。

流石に無言で去るわけにもいかない。

『あ、私このあとちょっと用事あるから先帰ってていいよ』

遥「そうなのか？」

『う、うん....』

遥「遅くなりすぎないようにしろよ」

真琴「気をつけて帰ってね」

『ありがとう』

じゃあね、と手を振って2人を見送る

ふぅ。

じゃあ寮に行くか....

というか、寮ってどこ....？

まずい、私立なだけあって鮫柄の敷地を広いし、そこで土地勘のない人間がうろうろしたらどうなるかなんて目に見えてる。

とりあえず凛に電話、いやでもまだミーティング中かも？

どうするか....

「あれ、A先輩じゃないですか？」

『似鳥くん！』

振り返ると練習が終わって自動販売機で買ったのか、片手にはジュースを持った似鳥くんがいた。

ちょうどいいところにいた、俗に言うラッキー。

似鳥「お疲れ様です！まだ帰ってなかったんですね」

『練習お疲れ様、ちょっと用があってね』

似鳥「どうかしましたか？」

『似鳥くんって寮住み？』

似鳥「そうですよ！」

これは頼むしかない、こんなの適任すぎるのでは、と心の中の私が言っている

『似鳥くん、寮まで連れてってくれないかな！？』

似鳥「え！！？」

似鳥「A先輩、よ、夜這いですか！？」

『ちがうよ！！！』

声が大きいよ似鳥くん！！

凛に用があることを伝えるとすんなり案内してくれた。

似鳥「松岡先輩の部屋はここの階のすぐそこですよ！」

『ありがとう、助かったよ』

似鳥「いえいえ、今日は練習お疲れ様でした！」

おやすみなさい、とお辞儀して来た道を帰っていった。

ここか、凛の部屋

大きく息を吸って、ドアをノックした。