１８８、名付け親は覚悟を問う ページ29
やれやれと溜め息をつく。
ソフィアが練を解いたのは、恐らく声が届くくらいには自我はあったのだろう。反応はできなかっただけで。
どういう訳か知らないが、不調だったことも要因のようだ。そこの青年に関係しているのだろうが、聞く気はない。
「お主ら、ソフィアと関わっていたいか」
代わりに、別のことを問いかける。地に倒れ伏すソフィアの所へ歩み寄ってきた者たちへと。
「それは人間であろうとしているが、根本は違う。それでも関わりたいと言えるのか」
言外に覚悟を問う。あれを見ても、それと関わっていられるのか、と。
すると、盗賊の頭は薄く笑んだ。
「望むところだ。これくらいの方が、脆くなくて良い」
暗殺一家の長男はソフィアの髪を撫でた。
「人間と違っても、根本がソフィアならソフィアでしょ。……オレはソフィア以外を嫁にする気はないよ」
奇術師は穏やかな笑みを浮かべた。
「ボクも、彼女と離れる気はないよ。あんたが彼女を隠そうとするなら、地の果てまで追いかけちゃうかも……◇」
それぞれの発言に頷こうとして、もう一人青年がいることを思い出し視線を向ける。
すると、青年は苦々しげに口を開いた。
「……ソフィアには借りがあるよ、返さなきゃ気が済まないね」
全員、ソフィアを受け入れる覚悟はあるようだ。
一人でも違えば連れ帰ろうと思っていたから、娘が順調に受け入れられて嬉しいやら寂しいやら、複雑な心地である。
「よろしい。ならばお主たちに伝えておきたいことがある」
──今後、できる限りソフィアに生まれつきの能力を解放させるな。
それだけ言えば、怪訝な表情をしたものの四人は何も言わなかった。
耳を傾ける姿勢はあるようで結構結構。もう言うことはないと背中を向けて、森の奥に向かって歩く。
暴れた跡が大分酷く残っているが、人は滅多に入らないためにあまり支障はないだろう。むしろ土壌に栄養が行き渡って森が活性化するかもしれぬ。
(しかし、昔は獣性を解放していてもオーラの色の変化などはなかったのに。どうなっているのやら)
念能力を習得したからというわけではあるまいが、それ以外には思い当たらない。
ふうと溜め息をついて、シルバとゼノの二人と合流するために足を進めた。
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ユウ - 一気読みさせてもらいました。応援してます。ヒソカ落ち希望です！ (9月18日 1時) (
レス) id: 9180eb740d (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 更新待ってます！！続きがとても気になります！！イルミ落ちがいいです！ (2022年6月6日 0時) (レス) @page32 id: b76b8db090 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 作品読ませていただきました！！とても面白くてこのシリーズ大好きです！もし、この作品がまだ更新されるのであれば、気長に待ってます！頑張ってください！！ (2021年1月30日 18時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 初めて作品を読ませていただきました！私はこのシリーズがとても大好きになりました！もし、作者様がこの作品を覚えているのであれば更新されるのを楽しみに待っています！ (2021年1月1日 21時) (レス) id: 5e84d40654 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新待ってます！ (2020年3月24日 18時) (レス) id: 94544c805e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年9月4日 4時
