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53、暇潰し ページ14

【ソフィア side】

目が覚めたら、ヒソカの膝の上だった。
……それはまだいいのだけど、ハンゾーは何やら慌ててるしイルミはギタラクルの姿のまま凝視してくるしで。


「あの、これ、どういう状況なの?」

「俺に聞かないでくれ」


ハンゾーは知らないようだ。とりあえずヒソカの膝から抜けて、立ち上がる。
目の前がグラつく……これは、仕方ない。大方の回復は終わったけど、治しきる前に意識が起きてしまったから全快ってわけではない。エネルギーが足りないのだ。
起きている間には治りきるだろうし、そうでなくてももう一度寝ればいい。いつものことだ。

イルミがふらついた私を受け止めた。と、同時に体のあちこちを触ってきた。


「ちょっと、イ……ギタラクル?」

「……傷。どうやって治したの」

「……、元々そこまでダメージは受けてないわよ」


わかりやすい嘘だ。全て見ていたイルミには通用しない嘘。
だけどそれが嘘だと証明することは、傷も毒も治癒済みだから不可能。

イルミは、私から離れると背を向けて歩いていった。
くいっと袖を引かれてそちらを見れば、今度はヒソカが何か言いたげな笑みを浮かべていた。

うん、この笑みは。


「ソフィア、どんな試験内容だったか聞かせてくれないかい?◇」

「膝で?」

「膝で◇」


思わずため息をつく。理由はわからないけど、きっとそうしたい気分なのだろう。
いつものように膝に座れば、彼は満足そうに壁に背をつけた。ちなみにイルミの視線が痛いしハンゾーはここでやるなと言いたげに顔を歪めている。
それでも試験内容は気になるようで、近くに座ると聞き耳立てていた。


「えーと、私とギタラクルが入った道はね」





***





「うーん、君らじゃなかったらめんどくさそうな道だね◆」

「性格の悪さが透けて見える道だな」


身代わりシステムのことを話し、毒を飲んだことを伝えた辺りから、何故かハンゾーはまた近くに来て相づちを打ち始めた。
聞き手が増えて話しやすくはなったけど、特異な状況のせいか周囲の視線が辛い。

あのあと、幾人かの合格者が来た。残り時間は58時間。
試験の話はもう終わっちゃったから、することもなくなってしまった。
娯楽とかはこの部屋にはなく、とっても暇だ。待つことは苦じゃないけれど。

ヒソカを見上げれば、彼はにっこりと笑みを浮かべた。


「ヒソカ、トランプでもしない? 折角だからハンゾーも」

「いいよ◇」

「いいぜ、簡単に勝てると思うなよ!」

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作品ジャンル:恋愛
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勿忘草 - 普通にハンゾーが可哀想www (2020年6月20日 15時) (レス) id: a494dee2c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロ | 作成日時:2019年5月4日 21時

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