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ページ9

相次いで味方が倒れていく中、奇跡的に総監督の部屋に辿り着いた部隊がいた。

「はぁい、侵入者さんたち」
ふざけた口調で喋る紫煙の瞳の男を見て、第9班は呆気に取られていた。
「ま、びっくりするよね。俺が総監督って。こういうのは絶対照とかの方が向いてるもん。わかるわかる」
「か、かかれ!」
「あ、無駄だよ。試しに撃ってご覧よ」

その言葉を聞く前に、第9班は彼に向かって発砲した。
何十、何百と撃った。それなのに、
「…ね?」
目の前の紫煙は傷1つ付けずに立っていた。

「な、なんだお前…!化け物…!」
「…それ、他のメンバーに言ってないよね?」
「う、うわぁ!こっちに来るな!」
「…大丈夫だってー、俺は何もしないから。…あのね、俺はともかく、あいつらは俺を肩代わりしてくれてるだけだから」

紫煙はどことなく寂しそうな顔をして、冗談を言っているかのように続ける。
けれどどこかでわかってしまっていた。
この紫煙が言っている事は真実、そして、
紫煙は殺せないという事を。

「そう、だからさ、あいつらには「怪物」って、言わないであげてね」
激しく轟く銃声が聞こえたのはその後だった。

「ふっか!大丈夫?」
「翔太ー!怖かったー!」
「何部屋に入れてんだよばーか!」
「えー!でも楽しかったでしょ?」
「…あのさぁ、俺たちは好きで肩代わりしたんだから、あんま責めた事言うなよ」
「わかってる…照には言わないでよ」
「はいはい」

紫煙にネックレスはない。
ただ1人、馬鹿みたいに笑って、そして、彼は空を見上げた。


S隊 File09
●深澤辰哉
総監督(リーダー)
紫煙の瞳をした男。
彼は怪我をする事も死ぬ事もない。8人の誰かが死んで初めて怪我をする。そうして、8人全員死んでしまったその時、彼は後を追うように命を絶つ。
それが、彼が持つ「最後」の呪いである。

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サラダ(プロフ) - 湊都さん» ありがとうございます!ちなみにめめは佐久間のこと君づけします、。ホントにたくさんすいません、! (2020年2月14日 22時) (レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - サラダさん» ありがとうございます(土下座)。呼称は本当にわからないのでありがたいです。書き直します。 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 紅一点小説を書いているものです。Twitterで見かけて読んでみたらはまりました!!ページ21の紫色の目をした軍人というあたりで"ふっかくん"と読んでいますが、康二君は"ふっかさん"って言います。ぜひ知っていていただきたいです!! (2020年2月14日 19時) (レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - 湊都さん» お答えいただきありがとうございます。あべさくですね!色の表現も素敵です!変な質問失礼しました。 (2020年2月5日 20時) (レス) id: aae655c3b8 (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - かごめさん» ありがとうございます。刺さっていただいたようで何よりです (2020年2月5日 19時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:湊都 | 作成日時:2020年1月30日 1時

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