＊ ページ5
｢総員応答せよ！5班、9班以外はどうした！応答は！おい！！｣
｢おじゃましまーす！｣
背後から聞こえた声に思わず反射的に銃を撃った。
｢うわあっぶね！！｣
｢どうも、β国特殊軍隊隊長殿｣
｢あ、阿部外交官…｣
｢えっあべちゃん、知り合い？｣
｢仕事上で付き合いがあっただけだよ｣
｢そっかー。じゃあ挨拶しないと｣
声の正体は、2人のα国S隊の軍人。
ご丁寧にロングコートの黒い軍服を見に纏い、恭しく頭を下げたのは見た事のない青年。
白目と同化しそうな程薄い虹彩──まるで、白銀のような瞳を細めてニッコリと笑う。
同じくロングコートの黒い軍服を見に纏っているのは明らかに目が笑っていない阿部外交官。
…いや、待て。
｢あ、阿部外交官…そのような、緑の瞳でしたかな…？｣
｢さぁ？どうでしょう？｣
翡翠の目に映る感情は｢怒り｣だ。
下手な言葉を並べれば、間違いなく自分の命がない。
これは、これは何としてでも取り繕わないと。
｢じ、実はですね、我々もやりたくてやった訳ではなく上からの命令で仕方なく…｣
｢…ゲホッ、｣
｢ですのでどうかこれは見逃していただけないでしょうか、褒美はなんなりと…ヒッ｣
思わず目を見開いた。
何故なら、白銀の瞳の彼がいきなり、｢口から花を吐いたから｣である。
｢…ッ、ゲホッ、あべちゃ…｣
｢わかってるよ。…お言葉ですが、生憎私ども｢嘘｣は嫌いでして｣
｢う、嘘なんかじゃ…｣
｢ゲホッゲホッ…カハッ、｣
｢黙っていて貰えますか？これ以上、我が軍の最年少を苦しませたくないもので｣
｢は…？｣
その言葉の意味を知る前に、彼は白銀が放った銃弾の餌食にあった。
｢…大丈夫？｣
｢ごめ、あべちゃん…あいつ、嘘ばっかりつくから…｣
｢うん、いいよ。ちょっとそこで休んどく？｣
｢ううん、いい。大丈夫…｣
｢ごめんちょっと手伝って！！｣
その時、相も変わらず大きな、聞き慣れた声がドアの開いた音と同時に響いた。
S隊 File05
●ラウール
特殊諜報員
白銀の瞳を持つ男。
彼の前で嘘をついてはいけない。彼の口から花が零れ落ちる。彼の白銀の目と同じほど白い花が。それは、誰かが嘘をついたという証なのだ。
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サラダ(プロフ) - 湊都さん» ありがとうございます！ちなみにめめは佐久間のこと君づけします、。ホントにたくさんすいません、！ (2020年2月14日 22時) (
レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - サラダさん» ありがとうございます（土下座）。呼称は本当にわからないのでありがたいです。書き直します。 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 紅一点小説を書いているものです。Twitterで見かけて読んでみたらはまりました！！ページ21の紫色の目をした軍人というあたりで"ふっかくん"と読んでいますが、康二君は"ふっかさん"って言います。ぜひ知っていていただきたいです！！ (2020年2月14日 19時) (レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - 湊都さん» お答えいただきありがとうございます。あべさくですね！色の表現も素敵です！変な質問失礼しました。 (2020年2月5日 20時) (レス) id: aae655c3b8 (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - かごめさん» ありがとうございます。刺さっていただいたようで何よりです (2020年2月5日 19時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年1月30日 1時
