Ex:届かぬメッセージは医務室に ページ24
佐久間がθ国に単騎突入した数日後。
暇になった向井が佐久間に構ってもらおうと医務室を訪れると、先客がいた。
佐久間「あ、康二。シーッ、ね」
阿部が佐久間につっ伏す形で寝ていたのである。
佐久間「俺が起きたらこうなっててさ、多分疲れてたんだろうね」
向井「あべちゃん飛び回ってるもんなぁ」
佐久間「この前の暴走がまだ残ってるかもしれないし」
向井「佐久間くんも怖かってんけど…」
佐久間「あ、康二俺の事踏んだんでしょー。ひどい!」
向井「だって分からんかってもん…それくらい血塗れやったし、真っ赤やったし、怖かったぁ…」
佐久間「ごめんごめん」
佐久間は眠る阿部の頭を優しく撫でている。
それが頑張り屋の弟を慰めているように見えて
向井「…なんか佐久間くん、あべちゃんのお兄ちゃんみたい」
ついそんな声が漏れた。
佐久間「え?」
向井「佐久間くんの方が一応年上やからかなぁ」
佐久間「一応って何ちょっと!」
向井「あはは、でもええなぁ。俺もシンメとか欲しいなぁ」
佐久間「めめがいるじゃん」
向井「めめきゅんは彼氏やから!」
佐久間「酷い…この前は俺の事愛してるって言ってたくせに…俺とは遊びだったって言うのか!?」
向井「康二はみんなのものなの♡…あ」
佐久間「どした?」
向井「照くんに呼ばれた、ちょっと行ってくる!また暇になったら構って!」
佐久間「いつでも相手してるよ」
向井「きゃー!さくさくかっこいいー!」
向井が嵐のように去っていった後、佐久間は少し寂しそうに笑う。
佐久間「いつまでも俺は亮平のお兄ちゃんだからね」
もし自らの命が終わるその時まで、彼が思い出さなくても。
佐久間はこうして「大事なチームメイトでシンメ」の佐久間大介として、阿部亮平の側にいると決めたのだ。
誰にも届かない声は、医務室の白い壁に吸い込まれる。
今日も何事もない、平和な1日である。
1351人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サラダ(プロフ) - 湊都さん» ありがとうございます!ちなみにめめは佐久間のこと君づけします、。ホントにたくさんすいません、! (2020年2月14日 22時) (レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - サラダさん» ありがとうございます(土下座)。呼称は本当にわからないのでありがたいです。書き直します。 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 紅一点小説を書いているものです。Twitterで見かけて読んでみたらはまりました!!ページ21の紫色の目をした軍人というあたりで"ふっかくん"と読んでいますが、康二君は"ふっかさん"って言います。ぜひ知っていていただきたいです!! (2020年2月14日 19時) (レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - 湊都さん» お答えいただきありがとうございます。あべさくですね!色の表現も素敵です!変な質問失礼しました。 (2020年2月5日 20時) (レス) id: aae655c3b8 (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - かごめさん» ありがとうございます。刺さっていただいたようで何よりです (2020年2月5日 19時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:湊都 | 作成日時:2020年1月30日 1時