第36話 ページ38
笹部「わっはっは！でっかくなったな真琴！」
真琴「お久しぶりです。」
笹部「まあ、今は俺ピザ屋のバイトだけどな」
笹部は自分が乗っているバイクを撫でるように触る
笹部「お前もここの最後を見届けに来たのか？」
真琴「笹部コーチも？」
笹部「配達の帰りにちょっとな。他の奴らは元気にしてるか？」
真琴「はい。ハルも渚も、千歳も同じ学校です」
真琴は微笑みながら今の状況を笹部に話した
笹部「そうか。千歳とは、あいつの母親の葬式の時に一度会ったっきりだな。だが、その時はとても話しかけられる感じではなかったから、あの細い背中しか見ることができなかったことを思い出すよ」
笹部は千歳の母の葬儀の時のことを思い出すかのように、天を見上げる
真琴もその場にいたが、あの時の千歳の暗い背中を今でも覚えていた
真琴「千歳、今は元気です。家の手伝いも積極的に頑張っているし、昔みたいに明るい笑顔を浮かべているので。千歳なりに前を向いて歩いてます」
笹部「…それなら良かった」
真琴の言葉に彼は二ッと笑った
笹部「ところで、凛とも仲良くやってるか？」
笹部の問いに真琴は言葉を詰まらす
真琴「…はい。学校は違うけど」
笹部「オーストラリアから帰ったんだな、凛。最後見た時、随分落ち込んでいたからちょっと心配してたんだよ」
真琴「落ち込んでた？」
真琴は笹部に訊き返す
笹部「遙から聞いてないのか？確か、お前たちが中学一年の冬のことだ」
初めて聞いた話に、真琴は驚く
遙と凛がその時期に会っていたとは聞いていなかった
笹部「年末、閉館間際の時間に遙と凛がふらっとやって来たんだ。帰省したらバッタリ会ったとかで」
真琴「まさか、そこで二人は勝負を？」
笹部「そう。それで遙があっさり勝っちまって。凛はえらく落ち込んでた。そりゃあそうだよな。水泳留学までしたのに、何でなんだって」
笹部はその時の光景を思い出す
遙に負けて目に涙を浮かべる凛の姿、そして話しかけようとする遙の横を凛は目を向けず彼の横を抜いて去っていく
二人はそこで気持ちがすれ違ったのだ
笹部「ん？どうかしたか？」
真琴「いえ…」
黙り込んでいる真琴に笹部は話しかける
真琴(そうか…それでハルは競泳を辞めたんだ。凛を傷つけてしまったから)
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倉野柚稀(プロフ) - **RUNAさん» RUNAさん、こんばんは！とても嬉しいコメントありがとうございます！頑張って更新しますので引き続き応援をよろしくお願いします(*´﹀`*) (2021年10月3日 0時) (
レス) id: e0fd67cf7a (このIDを非表示/違反報告)
**RUNA(プロフ) - 応援してます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新頑張ってください！！ (2021年10月2日 22時) (レス) id: 8f42e912d6 (このIDを非表示/違反報告)
倉野柚稀(プロフ) - 白奈さん» こんにちは、とても嬉しいコメントありがとうございます(*´﹀`*)これからも少しずつ直しながら更新していく予定なので、是非最後までお付き合い頂けると嬉しいです！ (2021年9月27日 13時) (レス) id: e0fd67cf7a (このIDを非表示/違反報告)
白奈(プロフ) - リメイク版の今後の展開もとても楽しみです！ (2021年9月27日 10時) (レス) id: ab21e29371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：倉野柚稀 | 作成日時：2021年9月23日 23時
