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キミのココロのオト【天月】 ページ3

「A、今日はすごくいい天気だよ」

目を閉じたままの君に語りかけるのは、もう何回目のことだろう

いつも話の内容は決まっていて
今日の天気だとか、今日どんなことがあったとか、君がどれだけの人に望まれているのか

「今日本当はくろちゃんも来るはずだったんだけど急に用事が出来ちゃったんだって
残念だね」

話す時は必ず誰かの名前を出す、1人でも、2人でも
それだけみんな君を待っているんだよ?

A、お願いだから早く目を覚まして…


そう願っても、きっと君には届いてない


だんだんと暮れていく空、僕以外にAの病室を訪れる人はいなかった

Aには、僕以外の家族はいない
僕にも、A以外の家族はいない

だから、今はここだけが、唯一Aといられる場所だった


.



.



.



.



.


だったのに…



[もしもし、××病院です!
今、Aさんの容態が……!!!]



あぁ、神様はどうして僕から奪ってしまうのだろう


「A?!
Aしっかりして!!ねぇ!!!

先生!Aは……!!」

「…………残念ですが…」

どうして



どうしてどうして



どうして!!!


昨日までは暖かかったのに

昨日までは確かに聞こえていたのに

なんで…

「お願い、1人にしないで…」

なんでもう何も聞こえないの…?

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作者名:香雪蘭 | 作成日時:2018年8月22日 0時

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