不仲な許嫁同士は (ページ17)

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17話ページ17

前回と同じく寮に着きアポイントを取った状態で部屋まで伺う

始「何の用だ？」

『お見舞いに来て下さってたようなのでお礼と菓子折を。
それと……少しお話がございます。』

始「…上がってくれ。」

『失礼致しますわ。』

今回は個人部屋に招かれ環は途中出会った隼と会話をしていた

始「紅茶だ。砂糖は好きなだけ入れてくれ。」

『ありがとうございます。』

始「………どうしたいきなり。」

『え？』

始「ありがとうと聞いたのは凄く久々だぞ。」

『…す、素直にお礼を言っただけですわ。ぁっ、つ…』

始「大丈夫か？氷いるか？」

『だ、大丈夫ですわ。んん、それより先日は対応も出来ず申し訳ございませんでした。婚約者の方がいらしてるのに対応出来なかったのは此方の落ち度ですわ。』

始「風邪と聞いていたが酷かったようだな。気を付けろ。この時期は寒暖差が激しいだろう。」

『そうですわね。』

始「話ってそれだけか？」

『違いますわ。前回の事を謝罪しようと思いまして…』

始「前回？」

『アイドルになった理由…お聞きせず否定したのでその謝罪ですわ。申し訳ございませんでした。』

始「……ほんとに何があったんだ？(苦笑)」

『理解をしようと思ったのよ。私は睦月さんのこと殆ど知りませんもの…｡そんな中アイドルをと聞いて疑いましたが先程映像を見ましたの。他人の私がとやかく言う事では無いことは事実だと思いまして理解しようとせず申し訳ございませんでした。』

深々と頭を下げるその姿は始も初めて見る姿で驚いてしまう

始「あ、あぁ。別に大丈夫だ。謝る必要も無いしな。」

『では最後にひとつ…何故あの時……私が中学2年生の時お見舞いに来て下さった時のあの言葉は本心ですわよね？なのに何故婚約したのですか？』

始「あの時の言葉？なんの事だ？」

『それは睦月さんがよくわかっておられるのでは？
言っておりましたわ。私の事が苦手だとそうはっきり。』

始「なんの事だ？そんなこと言ったか？」

『…覚えていらっしゃらないのですねﾆｺ
でしたら結構ですわ。このお話は無かったことに。
次の睦月家の行事には参加させて頂きますとお伝えください。では。』

本当に覚えていない始のその姿を見て少しがっかりしながら早々に手荷物を持つと立ち上がり部屋を後にするA