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RX-7の後部座席に荷物を置き助手席にAを優しく乗せる
運転も普段だと気にしないがこの日ばかりはちゃんと気遣い安全運転をしてくれる
『……ゼロ…』
「なんだ。」
『…ありがとう、ごめん。』
「……休め。白鷺から聞いた。徹夜6日目なんだろ。疲れから来る熱だ。馬鹿はなんとやらって言うが生憎馬鹿では無かったらしいな。」
『腹立つ……。もう、(笑)
でも助かった…ゼロに……零にああ言われなかったら私の気持ちが揺らいでた。』
目元に腕を当てて少し泣きそうな声のAの頭を撫でる零
零「知ってる。だからああ言った。」
『私は……もう幸せになる資格なんてないのにね。ごめん、束の間の幸せに浸り過ぎた…。』
零「……辛ければ辞めたらいい。」
『ヤダよ…今辞めたら殺される。私も、周りも……。それに辞められるわけない。私が警察官になって組織に潜入した理由が無くなる。
ここまで頑張ってきた事がパーになる。』
零「……そうだな。」
『今日の事は熱で覚えてない事にして…
誰にも秘密。絶対に誰にも言わないで、零。』
零「分かってる。言えるか、こんな事。
黙っててやる、今日だけは見逃してやる…
明日には藤城Aに、水瀬柚菜、ブルームーンにしっかり戻れ。」
『はい。』
少し長く感じる家までの距離に気持ちの整理をつけるのだった
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作者名:reina | 作成日時:2020年7月26日 22時