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第二話 ページ2

ぎし、ぎし、と床を鳴らして黒板の前にきれいに整列した6人。僕らから見て一番左端には、長い髪を一つに結った赤い瞳が印象的な青年が立っている。見た目からして高校生くらいだろうか?

「……あー、さっきは騒がせたみたいで、ごめんね? えーっと、カラスマ? って人から連絡はされてると思うんだけど、君たちを守るために来ました。俺は加州清光。俺の隣から順に、大和守安定、堀川国広、にっかり青江、厚藤四郎、平野藤四郎。名前に関しての疑問は全部の説明が終わってから聞くよ」
「え、厚藤四郎、って国宝じゃ……」
「話は後で聞くって言ったよね。先に説明させてね」

ぐ、と菅谷くんが押し黙る。美形の無表情は怖い、と竹林くんがつぶやくと、加州清光と名乗った彼は説明を続けた。
加州さんによると、自分たちは未来から来た刀剣の付喪神で、審神者と呼ばれるいわゆる霊能力者を主とし、歴史の流れを守るために日々時間遡行軍と呼ばれる異形との戦いに明け暮れているらしい。時間遡行軍は僕らが殺せんせーを殺害して地球を守ったという歴史を、僕らを殺すことで変えるつもりだ、と。

「君たちが殺されれば、超破壊生物は抑止力を失い、いずれ地球を破壊する。だから、君らが無防備な時に時間遡行軍に襲われないようにって警護を任されたわけ。俺たちは夜目もきくし室内戦も得意だし、適任なんだってさ」
「えっと……つまりは、俺たちがその……殺せんせーを殺させない運命を辿ろうとするジカンソコウグン? に狙われているから、俺たちを守る、ってことですよね。ジカンソコウグンは殺せんせーを守る人ってことですか?」

磯貝くんがおずおずと手を挙げて質問すると、加州さんは「超破壊生物はコロセンセーっていうんだ、へぇ」と楽しそうに言ってからこう続けた。

「うーん、どういえばいいのかな。極端に言えば、時間遡行軍は君たちを殺しコロセンセーを守ることで地球を滅ぼす。俺たちは君たちを守ることでコロセンセーを殺す手伝いして、地球を守る、っていうことかな。ね、安定」

やすさだ、と声をかけられた新撰組の羽織を羽織った青年が困ったように「清光にしては及第点」と笑う。

「僕もうまい説明は思いつかないけれど、とにかく僕らは刀剣の付喪神で、君たちを守るためにここにいるってことだけは理解してほしい、かな」

チャキ、と刀の鍔が鳴る。彼らがヒトではないという事実は、不思議なほどにストンと僕らの胸に落ちた。

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設定タグ:暗殺教室 , 刀剣乱舞 , クロスオーバー   
作品ジャンル:その他
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作者名:RhAIzakNi | 作成日時:2017年2月6日 19時

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