第三話 ページ3
二人いる藤四郎、青江さんのにっかりという名前は、それぞれ同じ刀匠に打たれたり与えられた逸話によるものであったりするから。見目が幼いのは、刀の種類と見た目が比例するから。加州さんたちはすらすらと僕らが疑問に思うであろうことを説明していった。
「……で、何か質問は?」
「俺から、少しいいか」
「カラスマさんだよね。いいよ、なに?」
「……先ほど、夜目が利く、という話をしていたな。ということは、放課後も生徒たちの行く先々や各自の自宅にも警護がつくということか?」
「うーん、そうなる、かなぁ」
加州さんが曖昧に答えると、ざわ、と教室内が騒がしくなる。
「どんなに屈強な戦士でも、優れた暗殺者でも、眠っているときは無防備で赤子同然なんだよ。寝込みを襲われたらたまったもんじゃない。新撰組だって、裏切り者の参謀を始末した時は寝込みを襲ったしね。歴史を守るための俺たちは絶対に君たちに危害は加えないと約束するよ。俺たちだって神の端くれだから約束は守るよ。だから、任務を全うさせてほしい」
お願い、と頭を下げる加州さん。それにならってほかの五人も頭を下げる。
「……わかった。あんたらが約束を守らなかった場合、こちらでもしかるべき措置を取らせてもらう」
「うん。ことによっては刀解も辞さない。俺たちは君たちを守るよ」
「トウカイ……?」
「あー……本来は違う意味なんだけど、今の刀解のイミは人間でいう死.刑かな」
「死.刑……!?」
よろしく、ときれいに笑う彼に僕は、ああ、神様なんだなぁ、なんて的外れな感想を抱いた。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←第二話
18人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:RhAIzakNi | 作成日時:2017年2月6日 19時