気配 ページ4
「あー...疲れた。」
ちょうど木陰で日が当たらない部分に腰掛け一息つく。
目的の町のすぐ近くにある山の中、善逸とさらにはチュン太郎とも別れ一人で座っていた。
「あーひまひまひま!善逸ならともかく何でチュン太郎までいっちゃうんだよぉ...」
まだ日暮れまではほど遠い。流石にずっと日の下に居るのは体力がもたないので私はひとり休ませてもらっている。
活気溢れるこの町。毎夜子供が消えているなんて思えないぐらい賑やかでまるで情報が掴めなかったため、善逸が町の人に聞いて回っているのだ。
一緒に居るのだからせめても情報収集くらい手伝いたかったけれど仕方がない。無理して倒れた方が迷惑をかけてしまう。
元々無理いってこうして歩かせてもらっているのだ。初め善逸は籠か何かに入れて昼間は私を運んでくれると言った。実際そっちの方が効率が良いのだが、そうすると私が“人”ではないと改めて認識させられているようで嫌だった。何てワガママなんだろう。本当申し訳ない。
話を戻すとそういう訳あって今は一人であった。
善逸と別れる際せめてもチュン太郎は!と訴えたけれど、無情にも私を置いて飛んでいってしまった。くそうチュン太郎め。でも可愛いから許す。
夕刻になったら善逸が迎えに来てくれるがそれまで何もすることがない。
「あーもう暇。暇過ぎて死ぬ。死んでしまうぞこれは死ぬ。
...あ、待って今の善逸っぽい」
ふと善逸の真似をしてみようかと思い立ち、止めた。喉を壊して終わりだ。
本当に何もすることが無くて足をぱたぱたさせていると
ふと、嫌な気配を感じた。
鬼になってから何かと気配に敏感になった。こういうところも鬼と実感させられている様で嫌なのだが今はそれどころではない。
この気配は間違えなく“鬼”のものだ。
この山の奥の方から微かに感じる。これはもしかしたらもしかするかもしれない。
「行ってみるか。うん。ちょっと見るだけでも」
まだ太陽は輝いているというのに薄暗い山の奥へと、入っていくことにした。
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人形師(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります。応援してます!! (2019年8月13日 19時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
ビーフおあちきちー(プロフ) - ひにゃたこさん» そうなんですね!私はアニメしか見ていないのですが、流石です(?)m(__)m (2019年8月1日 1時) (レス) id: 006724dd3d (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃたこ - ビーフおあちきちーさん» いや、家に全巻あるので(謎のどや顔) (2019年7月30日 13時) (レス) id: 2190e9e698 (このIDを非表示/違反報告)
ビーフおあちきちー(プロフ) - 正解だ!よォく分かったな!(孫〇空風) (2019年7月29日 15時) (レス) id: 006724dd3d (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃたこ - アッ、ド〇ゴン〇ール.... (2019年7月28日 9時) (レス) id: 2190e9e698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ビーフおあちきちー | 作成日時:2019年7月13日 15時