眠りの剣士と鬼の娘【鬼滅の刃】 (ページ2)

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「Aちゃんお水貰えたよ。少し休憩しようか？」

「そうしましょう善逸！私も少し疲れたと思っていたところです。」

天気のよい昼下り。ちょうど日陰になっている石の上に腰掛けながら、同じく座っているAちゃんを横目で見る。

疲れましたねぇ、なんて笑うAちゃん。何処からどう見ても可愛らしい女の子だ。まさか彼女が“鬼”だなんて誰も思うまい。

彼女と一緒に行動するようになって早5日。色んな任務に行くようになって(本当は脳髄が飛び出すくらい嫌だけど)少し、分かったことがある。

まず、Aちゃんは人を食わない。自分から制御しているらしいけれどそうそう出来る事じゃないと思う。

その代わり“花”を食べる。他の食べ物は不味くて食えやしないけれど、花ならまだ食べられるらしい。何でも“藤の花”が一番美味しいのだとか。といっても藤の花なんてそうそう咲いているものでもないし、中々大変なものである。

あとはよく寝る。隙あらば寝る。ほら、今だって。寝ているAちゃんもとてつもなく可愛らしいから、万々歳だけど。

次に、日の光への耐性が他の鬼の何百倍も強い。流石に直接当たるのは駄目らしいけど、布を被って日に当たらない様にするだけで大分日の下に出ることができる。

といっても大分疲れるらしいから、こうやってこまめに休憩をとっているけど。

あとは．．．

「善逸！だいぶ元気になりました。そろそろ行きましょう。」

俺のことを“善逸"と呼ぶようになった。前まではさん付けだったから違和感がある。いや、記憶が無いのだから当たり前か。

それに少し言動が幼くなった、気がする。

「何してるんですか。早く行きましょう！」

「あ！待ってよAちゃん！」

それでも。

それでもAちゃんにかわりないから、守りたいって思うんだ。