【カゲプロ】信じ合えば、きっと。3 (ページ6)

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第七十二話ページ6

クロハSide

しばらくして、俺も部屋を出ようかと思い、ベッドから出ようとするも、服が何かに引っかかった気がした。

振り返ってみると、半分寝た状態のうつろ目のAが俺の服を掴んでいた。

クロハ「なんだよ…。」

A「…寝て……。」

クロハ「！？」

突然の爆弾発言に、心臓が高く跳ね上がる。

クロハ「一人で寝れるだろ…。」

A「…やだ………。」

これ、完全に寝ぼけてるだろ。

クロハ「…分かったよ。」

俺は一つ溜息をつき、再びベッドに戻った。

しかし、今日はかなりAに我儘になってしまった。

今は、なかなか二人で出かける時間がないから、俺としては出かけたくなる。

クロハ「意識してばっかだな、俺…。」

なんだか、この感情の正体にはたどりついているようだが、まるで複雑な感じだ。

クロハ「…恋、情…。」

口に出してみると、なんともむず痒い感覚。

Aに出会う前までは、こんな感情はなかった。

出会った後は、胸糞が悪いだの、胸が痛いだの、そんな風に感じていた。

寝返りを打つと、Aは既に目を閉じて眠りについていた。

クロハ「……。」

やっぱり、Aの事を思うとこの焔が消える気配がない。

俺は、Aにこんなに我儘なやつだったのか。

クロハ「……寝よ」

考える事も虚しくなってきた頃、俺はようやく眠りについた。