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第九十九話 ページ35

A「…えっ!?」


コノハの爆弾投下に衝撃が走り、心臓が高く飛び跳ねた。


A「それって…友達、の方?」


心中パニックになりつつもコノハに質問した。


コノハ「うーん、友達っていう意味で好きなのもあるけど…。」


コノハは首を傾げながらぶつぶつと何か呟いた。


コノハ「でも、なんだかそうじゃない気がする。」


それを聞いた瞬間、私の顔は衝動により赤く火照った。


心の中では、『ああ、良かった、この子が天然じゃなかったら今頃対応に困り果ててただろうな』と慌てて精神を整えていた。


A「わ、分からないの?その…友達じゃないってやつが。」


コノハ「うーん、皆に聞いてみたけど、良く分からなかったな。なんか…『恋』?って言ってた。」


前言撤回。


もはやこの状況から逃げ切れそうになかった。


A「…ちょ…コノハ……。」


コノハ「その『恋』っていうのを考えようと思ったけど、何かに引っかかっちゃって…。」


A「わ、分かった!また今度教えてあげるからとりあえず帰ろう!」


私が慌ててそれを制するも、


コノハ「…やっぱりA、こういう話嫌だった?」


コノハはしょげた顔で俯くのを繰り返す。


この状況はやばい。


これ以上無限ループしてはキリがない。


A「そうじゃなくて…その、返事とかなら、決心がついたら言うから!」


思い切った私はこう言ってしまった。


コノハは一瞬ポカーンとした顔をし、しばらくしてブランコから立ち上がり、口を開いた。


コノハ「…うん。Aの気持ちが収まったらでいいから。それでいいよ。」


その時のコノハは、ほんわりと穏やかな笑顔をしていた。


その笑顔に、私の心も不安が少し溶けていった。


A「う、うん…ありがと。」


私もお礼の印にコノハに笑顔を返した。


コノハ「A、元気になったね。」


私は人の気持ちから知らぬふりで、逃げていたのかもしれない。


いや、何かに気がつけたという方が良いのだろうか。


私はそう感じていたせいか、コノハが差し出して握った手は、いつもより安心する温もりが感じられた。

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作者名:Madicc | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/redwhite/  
作成日時:2014年1月20日 2時

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