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第八十四話 ページ19

気づけば、辺りは真っ暗だった。


壁もなければ何もない、そんな空間のような世界だった。


「A___」


声がする方に振り向くと、そこには、こめかみに銃を向けて立っているあいつがいた。


あいつの周りには、濃い雰囲気のような白い霧が立ち込んでいた。


「だっ…ダメ……」


私は恐怖のあまり足を動かす事も出来ず、手を伸ばすのがやっとだった。


手を伸ばしたのもつかの間、あいつは引き金を引いたと同時に私は床にへたり込みかけた。


「___い…おい。」


すると、白い霧が晴れ、あいつの姿はなくなり、誰かに支えられた気がした。


「しっかりしろ。あれはただの幻だ。」


上を見ると、黄色い二つの瞳が私を見つめていた。


「___っ」


私はその人物からバッと離れ、床にまたへたり込んだ。


「…震えてんぞ。」


「いや……来ないで……。」


声を出すのがやっとだった。


「あいつは___」


「聞きたくないよ…そんなの……。」


嫌だ。


あいつが死んだなんて。


未だに事実を受け止められない私がいた。


「…さっきの見て大体予想がつくと思うんだが」


私はハッとした。


あいつ、私のあとを追って___


「う…。」


「ほら、このままじゃ埒があかないから行くぞ。」


「……いい……。」


こいつは___


「……。」


「来ないで……。」


私を狙ってあいつを利用したやつだ___


そう思うと、信用性を失う。


また私が何かに使わされるんじゃないか___


「___お前、この世界から出られなくなってるんだぞ。」


「え___」


どういう事___


「今は俺を拒んでいても仕方がない。ほら。」


その蛇をまとったやつは手を差し伸べてきた。


「___一度だけでいいから、俺を信じてくれ。」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


これは過去編じゃなくて回想です!


でも、過去編の回想です((どっちだ


実は1、2でも回想が幾つか出てました。


最初から読めば全ての回想が繋がって完成するかなー、と思いましたがバラバラでしたね←

第八十五話 過去編→←第八十三話 過去編



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作者名:Madicc | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/redwhite/  
作成日時:2014年1月20日 2時

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