黒7 ページ8
＝綱吉視点＝
京「そういえばツナ君。今日編入生が来るって聞いた？」
ツ「そうなの？仲良く出来るといいなぁ」
SHRが始まるまでの自由時間に京子ちゃんがやってきて話しかけてくれる。
うん、今日も笑顔が可愛い。
最近なんだか学校が憂鬱気味だったが、このために来ていると言っても過言ではない。
窓の外を眺めて新鮮な空気を味わっていたから気付かなかったが、確かに教室内はその編入生の話題で持ちきりだった。
「ツーナ君っ！おはようっ」
語尾にハートマークが乱舞していそうな口調で話しかけてくるのは最近転校してきた無洲島 新名。
何を隠そう、俺の憂鬱源である。
……多分、元の顔立ちはそんなに悪くはないのだろう。
中学生にしては無駄に濃いメイクとドギツい香水の匂いが全てを台無しにしているが。
まぁ、すっぴんになったところで京子ちゃんはもちろん、ハルやクローム、黒川の足元にも及ばないだろう。
ていうか臭い。
化粧臭いのか香水臭いのか分からないけどとにかく不快感しか与えないこの匂いはなんとかならないのか。
皆よく平気な顔してるよな。
ツ「……おはよう、無洲島さん」
最低限の礼儀として挨拶は返すものの、きっと顔は引き攣っているのだろう。
見れば、珍しいことに京子ちゃんもちょっと顔を顰めていた。
京「おはよう、新名ちゃん」
それも一瞬のことで、見よ、この完璧な笑顔。
プロだ。笑顔のプロだ。
に「(何よ京子の奴かわい子ぶっちゃって〜！にぃなの方が100倍可愛いのに！)」
……相変わらず愉快な内面を持ってるなこいつ。
挨拶しただけなのになんだこの言い草は。
獄「安心してください十代目！十代目と新名に変なことしやがったらぶっ飛ばしてやります！」
山「まぁまぁ仲良くやればいいじゃねぇか！」
何でそこで無洲島の名前も入るんだろうね獄寺君よ。
山本はまぁ、流石というかなんというか。コミュ力お化けめ。
そう、無洲島が転校してきてからだった。
俺が学校を憂鬱に思うようになったのは。
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作者名：マシロ | 作成日時：2020年3月26日 16時
