黒20 ページ22
＝綱吉視点＝
ふわりといい匂いが鼻腔をくすぐる。
ゆるゆると瞼を持ち上げれば、いつもの自室とは違う天井が視界に入った。
足で布団を蹴飛ばし、腹筋を使って上体を起こす。
寝惚けた頭で昨晩のことを思い出し、天井へ向かって両手を伸ばす。
伸びよ、背！
ツ「朝飯はアサリの味噌汁に、鮭か」
リ「大当たりだぞ」
ツ「おはよーリボーン。Aは？」
リ「ちゃおっス。もう起きてママンを手伝ってるぞ。……安心しろ、あの後はおまじないとやらが効いてたみてーだ」
ツ「そう。なら、良かった。ありがとう」
俺が部屋を出た後も気にかけてくれていたリボーンに礼を言って布団を畳み、客間を出る。
リビングのすぐ横に位置する部屋を出れば、母さんとAが朝日よりも眩しい笑顔を向けた。
あ「おっはよーツナ！昨日は悪かったな、ベッド占領しちゃって」
奈「おはようツっ君。もうすぐ朝ごはん出来るからね」
ツ「おはよ。A、よく眠れたか？」
あ「お陰様で」
通りすがりにAの頭を軽く叩くように撫でて洗面所へ行く。
顔を洗っているとフゥ太が寝ぼけ眼を擦りながらトタトタと階段を下りてきた。
フゥ「おは、よう……」
ツ「おはよ。眠そうだな？」
フゥ「夜中に、ランボに起こされて。昨日は一段と寝相が悪かったんだ……」
ツ「それは災難だったな」
フゥ太と入れ替わりに階段を上がって部屋に行く。
適当な部屋着を出して着替えていると、綺麗に畳まれた布団が視界に入った。
……Aが泊まったこと知ったら、恭弥拗ねるだろうな。
ここにはいないもう一人の幼馴染のことを思い浮かべて苦笑を浮かべる。
近々あいつの家でお泊まり会でも開こうか。
リボーンにバレないように幻覚を置いて。
Aに手伝ってもらえば流石のあいつも気付けないだろう。
下からAが俺を呼ぶ。
俺は返事をして足早に階段を下りていった。
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作者名：マシロ | 作成日時：2020年3月26日 16時
