黒11 ページ12
＝A視点＝
授業が始まると流石に眠い目を擦りながら起きたツナの重力を無視した頭を何となく眺めながら一限目を受ける。
僕は、この4年間学校というものに通ってはいなかった。
ほぼ引きこもり状態でいたからだ。
とはいえ、勉強自体は家庭教師をつけられていたから普通以上に出来ている。
お陰で今更中学レベルで着いていけなくなることはなかった。
山「さっきは挨拶出来なかったな。俺は山本 武ってんだ。よろしくな、園原！」
獄「獄寺 隼人だ。テメェ十代目とは親しい間柄だそうだが……」
あ「よろしくなー武に隼人！生まれた時からの幼馴染だからな。つか、十代目ってそんな堂々と呼んでていいの？」
ツ「いきなり名前呼びか」
あ「あっちでは基本的にファーストネームでしか呼ばないし呼ばれないからな。あ、そっちは園原でもAでも好きに呼んでくれていいよ」
昼休み。
ツナに誘われて彼等の紹介ついでに屋上で昼食を食べることになった。
獄寺 隼人に、山本 武。
ツナの嵐と雨の守護者か。
僕の発言にツナが目を丸くして見てくる。
そんな顔久々に見たな……。
あ「そうだな、改めて自己紹介しておこうか。僕は園原 A。――ボンゴレ九代目直属独立暗殺部隊ヴァリアーの新米幹部だ」
ちなみに属性は雲だよと付け足し、ポケットから出したヴァリアーリングに紫の炎を灯す。
ツ「ヴァリアーにいたのか……。通りで見つからないわけだ……」
あ「つってもヴァリアーに入ったのは数ヵ月前……リング争奪戦の後だよ。それまではボンゴレ本部にいたんだ」
ツ「は、ボンゴレ本部？ちょっと待て、じゃあまさか父さんは知ってたのか？」
あ「おじさんにはお世話になってまーす」
ツ「あのクソ親父……！」
箸を砕き折らんばかりに握り締めて怨嗟の声を絞り出すツナに隼人と武がぎょっとしている。
確かに、そんなに怒ることだろうか。
ツナの親父嫌いは昔からだったけど、数年経って拍車がかかってる気がする。
あ「まぁ落ち着けよツナっち。それより放課後、学校案内してよ」
ツ「誰がツナっちだ。……そうだな」
獄「十代目、案内ならば俺が……」
ツ「いいよ獄寺君。色々と積もる話もあるし、今日は先に帰っててくれる？」
獄「ぐ……十代目が、仰るなら……」
山「まぁまぁ獄寺！幼馴染水入らずで話したいこともあるんだろ」
分かってると言い返す隼人に武は笑う。
いいコンビ、というやつなのだろうな、微笑ましい。
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作者名：マシロ | 作成日時：2020年3月26日 16時
