善意と欲望 (ページ3)

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息を切らせて目の前に立っているのは
さっき俺に電話をかけてきた藤ヶ谷。

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「お前くんのはや…俺シャワー浴びてくるから」
「じゃあ俺も」
「意味わからん」
「俺が洗ったげる」
「昼間から盛んな、俺は疲れてんの」
「俺も走ってきたから汗かいたし」

…お前が勝手に走ってきたんだろ

全力でお断りして一人で入った

こいつとの関係も結局はセフレ

藤ヶ谷モテんのに、なんで恋人作んないのって聞いても今はいいとか言うし、

俺に関係ないけどさー

ササっと洗ってバスルームから出れば
藤ヶ谷が髪を乾かしてくれた。
こいつの彼女になる人はさぞかし幸せなんだろう

乾かしてもらいつつ、渡された電話番号をどうしようかと見ていると

「それなに？」
「昨日寝た奴にもらった」
「へえ」
「今度かけてみようかな、結構よかったし」
「…ねえ、もうそういうのやめなよ」
「え？」
「……別に、やっぱなんでもない」

珍しい

藤ヶ谷がそんなこと言うの

お互い別のセフレが他にもいるし

プライベートは干渉しないし、、

はっきり言ってやること以外接点のない関係だから

ちょっとびっくりした。

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「さあ、もう出よっか」

俺の手を引いて歩き出す、

「うんでも駅すぐそこだから」
「何言ってんの俺んち行くんだよ」
「え今から？」
「うん」

あマジのやつね…

こうなったら藤ヶ谷は言うことを聞かないから

黙って着いて行くことにした。

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藤ヶ谷、相当溜まってんだな…