専売特許-13 ページ38
.
『つ、疲れた……』
あの後の時間はとにかくJKのオンパレードだった。
そりゃそうか、放課後になって安室さんがいるとなれば皆押し寄せてくるわけだ。
忙しさのおかげで逆に落ち着くことはできたものの、あっちで注文こっちで注文、私が注文を取りに行けば不満そうではないにしても少し残念そうにするJKたち…
そんな顔されるとなんでかこっちが悪い気がして来る。
でも仕方ないのだ。安室さんが注文取りに行くと私が行くより時間がかかるから。捕まって。
人によっては安室さんが仕事中だとやんわり断っても中々話をやめない子もいたり。
例の依頼して来た女の子もそのタイプだった。
まあ今はJKたちには探偵業はお休みにしているとか何とか言って依頼は受けないようにしているようだが。
「すごいお疲れみたいですね、Aさん」
『っ、………誰のせいだと思ってるんですか』
「さぁ?分からないなぁ」
椅子にかけたまま机に突っ伏しているとドアが開いて安室さんが入ってきた。一瞬さっきのことを思い出したけどむっと睨みつけて見ればとぼけたように交わされる。
なんだ、安室さんはいつも通りじゃんか。
さっきまでの無駄な緊張を返して欲しい。損した気分。
『もう、安室さんのせいに決まってるじゃないですか。流石はJKに大人気のイケメン店員さんですよね』
「ありがとうございます」
『皮肉ってわかります?』
はぁ、とため息をついて吹っ切ればそこにはいつもの空気感があって。いつも通りの、いつもの軽口。
やっぱり変な色々な感情なんか考えないで、これが一番しっくりくる。これでいい。
安室さんもきっとそういうことだ。
そう考えれば切り替えは早くて、体を起こしてうんと伸びた。
あーそうだ、今日はプレゼントについて聞こうと思ってたんだ。
『そういえば聞きたいことがあって』
「なんですか?」
エプロンの紐を解く背中をぼんやりと見ながら言葉を投げかける。
『安室さんくらいの男の人って、プレゼントとか何もらったら嬉しいですか?』
.
1107人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山梔子(プロフ) - 真紅さん» 真紅さん初めまして。コメありがとうございます!頑張ります〜(^○^)! (2018年6月20日 0時) (レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年6月19日 16時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:山梔子 | 作成日時:2018年5月24日 23時