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勘違いの始まり-10 ページ21

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『で、これのどこが穏やかなんです?』


「Aさんはお化け屋敷は平気なたちでしたか…ハズレでしたね」


『人の話聞いてます?』


わー、だのきゃー、だの絶叫がこだまする暗闇を私たちは歩いている。
この通り歩くタイプのお化け屋敷なわけだが、能天気な安室さんの答えに私は悲鳴ではなくため息をついた。


「ジェットコースターは平気そうだったのでもしや、と思ったのですが…僕もまだまだでしたね」


『あいにくこういうのはあまり信じないタイプなので…』


室内に施された仕掛けを見ながら呟く。
可愛くないだなんて承知の上だけれど、どうにも現実ではないと割り切ってしまうと恐怖が激減してしまうというか、あれだけ心霊体験した人がいるのに自分は全く経験がないものだから自分の中では完全にフィクションの括りに入っている。


「Aさんらしい言い分ですね。苦手なものの一つでも見つかれば、と思いましたが中々難しそうです」


『安室さんこそ、苦手なものとかなさそうですしお互い様ですよ』


「あはは、僕だって普通の人間ですし苦手なものくらいありますよ?」



本当かどうかはわからないが、そう言って笑う安室さんに私もつられて笑う。
このお化け屋敷は実際に人が役を持ってお客さんを驚かせるのが醍醐味だが、こんな能天気に笑っている客が来たら私なら涙目だ。

さっきから見かけるは見かけるものの、心なしか切なそうな雰囲気だけで脅かして来る様子がないのには少し申し訳なくなった。

けれど、私たち___というより安室さんにとっては_このお化け屋敷のもう一つの楽しみの方が目当てだろうと思いながら手元に視線を落とした。


『にしても、お化け屋敷に謎解きとは中々面白いですよね』



「ですね。問題も中々凝っているようですしやりがいがありますよ」



手元には短い暗号のような文章が書かれた紙がある。このお化け屋敷は、祖父の残した暗号から遺産を探して欲しいという依頼を受けてやってきた館で、何故か次々に不可解な現象が……というストーリーに則って作られたようだ。


無理矢理感が強い気もしたがそれなりに手応えもあるのでそれはそれでいいのだろう。



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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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山梔子(プロフ) - 真紅さん» 真紅さん初めまして。コメありがとうございます!頑張ります〜(^○^)! (2018年6月20日 0時) (レス) id: 1444a1608d (このIDを非表示/違反報告)
真紅(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年6月19日 16時) (レス) id: f5ab8da157 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山梔子 | 作成日時:2018年5月24日 23時

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