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JK「…じゃあ、今日は帰るね。明日店の電話にかけるけど、小麦じゃないメニューあったら教えて」
腰が砕けそうな気持ちいい何かを私の口の中に押し込んでったジョングクさんは、凍りついたままの私の唇、
JK「ごめん、グルテンついたかも」
つって指で拭ったその顔が、片頬くっと持ち上げた楽しそうな笑顔で。
これまで私に見せたこと無い、雄感強めな表情だった。
そんな顔も、するんだ。
なぜかまだ店に残っていた店長が、廊下に突っ立ったままの私に
「Aさん、あのさ…支払い俺が今受けたし、廊下の防犯カメラの録画、部分的に消しといたから安心して?」
って声かけてくれて、私はその意味理解できるけど自分の口から発せられるはずの感謝とか謝罪とか、その手の人間の言葉は失ったまま。
無言で。
羞恥心と背徳感と罪悪感とその他もろもろの感情に背中をドンドン押されまくって、超特急で着替えて店を後にした。
現実から全力で逃避するためのツールとして、レポートはむしろ捗った。
これが私とジョングクさんとの恋の始まりで、
店で強面系の女帝だなんだとオラオラ言わせていた自分が、
ほんとのところ押しの弱さが雑魚レベルだったって知った、
最初の夜のことだった。
昼の部、おわり。
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夜の部に続きます。
↓↓↓
美味しい私と、暴食の君 -夜の部-【JK】
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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年4月7日 11時