番外篇10(前篇) ページ42
『桂さんとは、小学生の頃からの知り合いだと聞きました』
なら坂本は、と俺に聞く
煎れたてのコーヒーをすすり、大学からだと教えた
『そうなんですか!
とても仲がいいので、羨ましいです』
『お前もいるじゃねェか』
確か、猿飛という苗字だった気がする
『いえ、晋助さんと…
その、仲が良くてという意味でして……』
語尾が小さくなり、気恥しそうにコップに口を付けた
思わず笑ってしまうも、Aが頬を膨らましたため
直ぐさま顔を逸らす
『なにか、三人での思い出とかあるんですか?』
『三人での思い出……』
あァ、一つあったな
Aは聞きたそうに、俺の目を見つめる
コーヒーを半分まで飲み、俺は口を開いた
『あれは確か、大学に入ったばっかの5月だったっけな……』
『おい!高杉!』
お前企業したそうだな、と眉間にシワを寄せたヅラが駆け寄ってくる
『あァ』
『まだ早すぎる』
もう少し準備を、と説教を始めたヅラの横を素通りし
次の講義がある教室まで歩き続けた
『お前が家を出たいのは分かる
お前に起業の才能があるのも……』
でも、まだお前は10代だと言って
ヅラは俺の進行方向に立ちはだかる
『どけよ』
『だいたいな、お前は…』
教室に着いても、ヅラは説得を止めない
いい加減ウザイと伝えれば、前の席から声をかけられた
『おまんら!喧嘩はよせ』
仲良くするぜよ、とデカイ声と笑い
一見して、コイツはアホだと俺は判断した
『ワシは坂本辰馬ぜよ』
名前は、と聞かれ高杉だと教える
『高杉!
知っちゅう知っちゅう!』
起業したんじゃろ、と俺のことを知っていたみたいだ
『すんごいなァ、ワシと同い年で起業して
そんで成功したんじゃろ?』
『まァな』
だが早すぎないか、とヅラと同じことを言ってくる
『坂本!お前もそう思うか!』
ほらな、と言いたげな目をヅラは見せた
『別に俺の勝手だろ』
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油揚げ☆ - はじめまして!いきなりですが、お気に入り1000人突破おめでとうございます!このシリーズ本当に素晴らしくて綺麗で、心が洗われました!これからも頑張ってください! (2017年12月29日 23時) (レス) id: ea10ef1a5d (このIDを非表示/違反報告)
爽香(プロフ) - お気に入り、1000人突破おめでとうございます!!! (2017年12月26日 9時) (レス) id: a0739e61e8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 湯葉さん» 他の作品も読んでくださっているんですか!? ああ、本当に有り難いです。どうもです。 続篇、土曜日なので楽しみに待っていてくださると嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2017年6月12日 16時) (レス) id: 31f39b2690 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 琉晟@遥さん» 初めまして! そんな嬉しいことを言われても何も出ませんよ!笑 とっても素敵なコメントをありがとうございます! コメント、本当に頂けると嬉しくなるのでこれからも遠慮せずにしてください!( ´ ▽ ` ) (2017年6月12日 16時) (レス) id: 31f39b2690 (このIDを非表示/違反報告)
湯葉(プロフ) - 初めまして。ハルさんの作品、どれもとても素敵でいつも感動して読んでました。こちらの作品の続篇もとても楽しみにしております。これからも頑張って下さい!!応援してます(^^♪ (2017年6月11日 19時) (レス) id: 78ddd75d3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年2月6日 16時