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番外篇15 ページ48

『薔薇みてェに綺麗に咲いてらァ』

『貴方がそれを言うんですか…』


呆れて溜め息も出ない。彼は私の首筋に顔を埋め、後ろから抱きすくめた。吐息が肌を擦り少々こしょばゆい

満足そうに私の首元に咲く華を見る。また咲かせようとするからやめて欲しいの意を込め、彼と面を合わせた。しかし晋助さんの狙いはそれだったのか、次は私の口唇と触れ合い始める


『もうご飯にしましょうよ。私、お腹空いちゃいました』

『俺はまだ食事中だ』

『何を言っているんですか』


もう、と軽く彼を叩き、今度は私が彼の肩口に顔を埋める。ソファの軋む音に紛れて、私の心音まで耳に響いた

彼の胸元に倒れこむように耳を寄せ、晋助さんの鼓動を感じ取る。彼は優しく、一定のリズムで音を奏でていた


『何してんだ』

『晋助さんが傍にいることを感じてます』

『ヘェ…』


良いことしてんな、と言って私の髪を梳くように撫でる。背中には子どもをあやすように手を置き、彼よりも小さい私をあっという間に包み込んだ


『甘いですね』

『甘いな』


二人で認めてしまうくらい、私たちの生活は甘味で溢れている


『たまには辛くいきますか』

『何をするつもりだ』

『友人と旅行に行ってきます』


二泊三日で、とパンフレットを見せた。彼はそれを見つめ、テーブルの上に滑らせるように放る


『そりゃ、しょっぱいな』

『しょっぱい?』

『悲しいからさ』


寂しいな、と本当に思っているのか怪しいくらい妖艶な笑みを浮かべた。こんな簡単に心情を言葉にするような人ではない。…好意は別だが


『ちゃんと帰って来いよ』

『ここ以外に帰るところがありませんから』

『そりゃ、俺もだ』


寂しいかと聞かれ、そんなことないと首を振る。晋助さんはと聞き返せば、同じように返された。家族は一つ。私には晋助さんと銀時がいる。それだけで満ち足りて、むしろ胸の底から溢れ出てきてしまう


『帰ったら何が食べたいですか?』

『A』

『良い加減にしないと怒りますよ?』


頬を膨らましたのに、彼はそれすらも欲しがるように手を滑らせる。結局は私が負け、彼の誘う手に導かれながら柔い絹の上に倒れこむ

今宵も月光だけが私たちを照らし、朝日が私たちを目覚めさせる。そんな幸せなひと時を、どうか永遠に





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これを最後に持って来ようとしましたが、最後の1話くらいは、皆さんにどんな話が見たいかを聞きたいです。
いろんな意見をお待ちしております。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 土方十四郎   
作品ジャンル:アニメ
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油揚げ☆ - はじめまして!いきなりですが、お気に入り1000人突破おめでとうございます!このシリーズ本当に素晴らしくて綺麗で、心が洗われました!これからも頑張ってください! (2017年12月29日 23時) (レス) id: ea10ef1a5d (このIDを非表示/違反報告)
爽香(プロフ) - お気に入り、1000人突破おめでとうございます!!! (2017年12月26日 9時) (レス) id: a0739e61e8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 湯葉さん» 他の作品も読んでくださっているんですか!? ああ、本当に有り難いです。どうもです。 続篇、土曜日なので楽しみに待っていてくださると嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2017年6月12日 16時) (レス) id: 31f39b2690 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 琉晟@遥さん» 初めまして! そんな嬉しいことを言われても何も出ませんよ!笑 とっても素敵なコメントをありがとうございます! コメント、本当に頂けると嬉しくなるのでこれからも遠慮せずにしてください!( ´ ▽ ` ) (2017年6月12日 16時) (レス) id: 31f39b2690 (このIDを非表示/違反報告)
湯葉(プロフ) - 初めまして。ハルさんの作品、どれもとても素敵でいつも感動して読んでました。こちらの作品の続篇もとても楽しみにしております。これからも頑張って下さい!!応援してます(^^♪ (2017年6月11日 19時) (レス) id: 78ddd75d3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory  
作成日時:2017年2月6日 16時

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