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番外篇3-3 ページ34

『あ!お前、あの猫!!』


俺を持ち上げる、小さな手


見たらコイツは、以前酢昆布をくれた子どもだった


『居なくなったと思ったら、まだ居たアルか

……でもお前、前より綺麗ネ

誰かに拾われたアルか?』


一言も鳴かずに、ただだらしなく尻尾を下げる


お前に関係ないだろ、と目を逸らした



『もしかして捨てられちゃったアルか?


なら、パピーに言ってみるヨ!

きっと頼めば、飼っていいって言ってくれるかもしれないネ!!』


俺を高く持ち上げて、自分の視界から太陽を隠すようにする


子どもの顔には、俺の影が映った




『銀時!!!』


もう聞きなれてしまった声に振り向く


公園に入ってきたAは、俺を探すように辺りを見回した


しかし、落ちていた石か何かにつまずき

走っていたせいで、勢い良く転んでしまう


俺は、小さな手から飛び出した


大丈夫か、と彼女の顔を舐める



『え……

銀時……?』


嘘、と飛び起きて

俺の姿をしかと両眼で見つめると、力強く抱き締める



『良かった、銀時!』


銀時、と何度も俺の名前を呼んで

俺の身体に怪我がないか確認している



『それ、お姉さんの猫アルか』


『うん、そうなの』


貴女が見つけてくれたの、と子どもと同じ目線にしゃがんだ


『ううん、そこに居ただけネ

もう離しちゃダメアルヨ』


『そうだね、ありがとう

ごめんね、銀時』



家に帰ろう、と俺の頭を撫でる


視界の隅であるものを捉えた俺は、Aの腕から飛び降りた



『銀時!』


心配そうな声を上げる彼女を尻目に

近くに咲いていた花を茎から噛みちぎる


そのままそれをくわえて、彼女に渡した


あの時、薔薇を倒してしまったから

そのお詫び……



『くれるの?

ありがとう、銀時』



『……なんだ、やっと見つかったのか』


俺の頭を撫でる高杉の手



『うん

一緒に探してくれた人にも、感謝しなきゃ』


『そうだな…』





家に帰り、高杉が俺を風呂に入れる


乾かしてもらい、火照った身体のままリビングに行けば

テーブルには、俺のあげた花が誇らしげに一輪差しの中で咲いていた





『そうだ……


おかえり、銀時』





ただいま____





-----
【銀魂】オー!マイ・アミ・ダンファンス
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/oldplaymate3


新作です

短編集っぽいのです

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 土方十四郎   
作品ジャンル:アニメ
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油揚げ☆ - はじめまして!いきなりですが、お気に入り1000人突破おめでとうございます!このシリーズ本当に素晴らしくて綺麗で、心が洗われました!これからも頑張ってください! (2017年12月29日 23時) (レス) id: ea10ef1a5d (このIDを非表示/違反報告)
爽香(プロフ) - お気に入り、1000人突破おめでとうございます!!! (2017年12月26日 9時) (レス) id: a0739e61e8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 湯葉さん» 他の作品も読んでくださっているんですか!? ああ、本当に有り難いです。どうもです。 続篇、土曜日なので楽しみに待っていてくださると嬉しいです( ´ ▽ ` ) (2017年6月12日 16時) (レス) id: 31f39b2690 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 琉晟@遥さん» 初めまして! そんな嬉しいことを言われても何も出ませんよ!笑 とっても素敵なコメントをありがとうございます! コメント、本当に頂けると嬉しくなるのでこれからも遠慮せずにしてください!( ´ ▽ ` ) (2017年6月12日 16時) (レス) id: 31f39b2690 (このIDを非表示/違反報告)
湯葉(プロフ) - 初めまして。ハルさんの作品、どれもとても素敵でいつも感動して読んでました。こちらの作品の続篇もとても楽しみにしております。これからも頑張って下さい!!応援してます(^^♪ (2017年6月11日 19時) (レス) id: 78ddd75d3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory  
作成日時:2017年2月6日 16時

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