赤井秀一の悪友4th【名探偵コナン】

【番外編】Share happy?(赤井視点) ページ31

『日本っていつからこんなにポッキー大国になったのかしら…？』

「厳密には棒状の菓子ならプリッツでもトッポでも良いんだが…何だかんだ乗るんだな」

『波にはとりあえず乗っとくタイプなの』

日本屈指のこのイベントを興味深そうに、ポッキーを咀嚼する…愛しの恋人。記念日にかこつけた企業の経済戦略と知っても、元々甘い物好きの彼女にとって悪い日ではないらしい。

「…付いてる」

彼女の口の端に付いたチョコを舐め取ると、彼女に全力で背中を叩かれた。地味に痛いが、目立ちたくないのか声を控え目にしながら真っ赤な顔で見上げられては、可愛くて怒れない。

『ここ外なんだけど！』

「…甘いな」

『ねえ聞いてる？』

「見られるようなヘマはしないさ…まあ、見られたとしても問題はないがな」

ーむしろ、俺たちを横目で眺めてくる野次馬へ釘を刺すつもりで行動したのだが。自慢だが俺の彼女はハーフなだけあって日本人離れした美人の類である。自分自身も長身なため、二人で並ぶとそれなりに目立ってしまうので否応無しに人目をひくのだ。俺が傍にいる限りは、使える物は何だって使って虫除けはするが。

『私は問題なんですー。早く帰ろう…絶対目立ってる』

「…きっと浮かれた恋人達の一組くらいにしか思われてないさ。まあ、お前に免じて帰ろうか…あれだけでは足りない」

な？と彼女の耳元で囁くと、途端に肩を跳ねさせて更に顔を赤くする。…こういう所が可愛くて、つい意地の悪い事を言ってしまうのは許してほしい。

『…キスしたいなら、普通にすればいいのに』

「バレたか。そもそも、その口実にポッキー(それ)があるんだろう。帰ったらするか？ポッキーゲーム」

『…秀一なら、そんなのすっ飛ばしてキスするタイプかと思ってたんだけど？』

「まあ、今日くらいは世間の波に踊らされるのも悪くはないと思ってな…。お前と一緒なら、少しくらい冒険してみてもいいだろう？」

彼女の読みは果たして当たっているのだが、たまには趣向を凝らしても悪くはないかと…彼女といると思えてしまうのだ。

「…Share happy?」

帰る前に一本だけ、と我儘を言って彼女の口元にそれを差し出す。渋々折れてくれた彼女に、つい口角が上がってしまう。

『…ほんとに、一本だけだからね』

結局一方的に食べられてしまったそれは、やはり甘ったるくて。それでも、彼女と共有するのは悪くないなんて…毒される俺である。

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ド定番で攻めてみた。うちの赤井さんそういうとこある

答え合わせはもう少しだけ先→←銀弾は微笑む

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