【こちらパーティー編集部】赤の王子様に恋をした (ページ3)

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【１話】私の夢と寂しさページ3

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────夢を見ている。

　幼い女の子が座って本を読んでいる夢。

『あ〜あ、本飽きた。』

女の子は本を投げ出した

　

『暇だなぁ……』

「✕✕。どうしたんだい?」

誰かが女の子に話しかけた。

女の子の声が掻ききれてよく聞こえない。

どこか…しわがれた声

『本、飽きちゃたんだ。』

飽き性…なのかな、

なんか私と似てるな、この女の子…

話しかけられたらいいのに、

　「それならこれを読んでみたらどうだい？」

　
誰か分からないひとが女の子に何かを差し出した

これは……雑誌？

『これ何?』

女の子が質問した

「これはね………」

瞬間、何かが壊れるような音と共に
目の前が真っ暗になった
　

　
☆★☆

「お嬢様。起きてくださぁい。朝ですよ〜」

誰かが私に声をかけている。いつも聞いているゆったりと明るいその声

『う……おはよ。菓恋(かれん)。』
　

「おはよう御座います！今日も可愛いですね！」

朝っぱらからこんなことを言ってくるのは
私直属のメイド菓恋(かれん)

髪をひと括りでまとめ、明るい瞳をしている
とっても可愛い美少女で私の妹分みたいな感じかな

お世話を私が子供の頃から忙しい親の代わりにしてくれたから私はとても菓恋のことが大好き。

言ったことはないけどね

『ありがとう。でも菓恋のほうが可愛いよ』

「っ、！…う、嬉しいです！お嬢様大好き！」

菓恋が私に抱きついてきた。多少苦しいけど菓恋だからなんてことはない

菓恋が喜ぶことならなんでもしてあげたいからね

『菓恋。お父様とお母様は？』

抱きついたままの菓恋に話しかける。
この質問は毎朝の恒例行事のようなものだった

この質問をすると菓恋は焦ったように私から離れた
菓恋の体温が離れて少しだけ寂しくなる

「あ、…えっと、…その…あのですね……」

手をぎこちなく動かし目をそらした

菓恋は顔に出やすいからすぐに分かる
多分だけど、今日も…

『…仕事なのね。』

「あ、その…、はい…」

心苦しそうに菓恋は答えた
まぁ、なんとなく答えは分かってたけど

お腹の底から盛り上がってくるような黒い感情を
抑えて抑えて、蓋をした

『ご飯にしようか、菓恋』
　

私の震えた声に菓恋は心配げにうなずく

それに気づかないふりをして、私は笑った

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