┗SV ページ3
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【SV】
一人称:
あたし
二人称:
君
「あたしは三鼓永遠。作曲指揮専攻の4年で──ああ、後はうちの学オケで指揮やってる。卒業後はウィーンに留学するから仲良くなるなら今のうちに、ってね。……何はともあれ、ようこそ、新入生! 君は期待の一等星だ。お互い精進しようね」
「棒を振ることなら誰にでもできる。けど──指揮は、違う。指揮者は道標なんだ。全ての音を導くのが仕事。……一度のミスでメンバー全員地獄に落ちると思って。あたし達のやってることは、棒遊びじゃないんだよ」
「君に魔法をかけるよ。カボチャの馬車も素敵なドレスも、全部あたしが用意してあげる。だから、自信持って舞台に立って、
「君の音楽を愛してる。君自身のことは、……んふふ、今後の君次第だけど。──ほらほら、もっと聴かせて! まだまだいくらでも飛べるって証明して、愛され続けることをやめないで!」
「誰が指揮するかによって全体の演奏は大きく変わるの。同じ曲でも指揮者が違えば全くの別物。……だからね、指揮者をただ棒振ってるだけの存在だと思ってるヤツを見ると張り倒したくなるんだ。“このわからず屋!”って。浮気された彼女みたいにビンタしちゃう? ……あはは! それは冗談だけど」
「名前負けしたらカッコ悪いからさ、血反吐を吐く思いをしたとしてもガンガン進むつもりだし、それこそ悪魔に魂売る覚悟だよって話なんだけどね。“夢は貪欲に、愛は正直に”──そういう生き方をしてるつもり。これから先もずっと変わらないんじゃないかな。……あ。疑うならずっと見てればいいんじゃない? あたしはそういうのも嫌じゃない」
「
「指揮者はさ、男社会だから。巨匠って呼ばれてる人も、歴史に名を残した人も、みーんな男! 体力面や精神面の問題もあるし〜、……まあ、後は伝統かな。そういう世界に飛び込んでいくんだよ? 女の! あたしが! ……毎日戦争だよ。当たり前でしょ?」
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作者名:木木野 | 作成日時:2022年6月21日 0時