ー ページ5
ジョンデくんよりも数段暗いさらさらの茶髪を見送ってから、ハナの方に視線を戻す。
と、やっぱり茹でダコ並みに頰を紅潮させていた。
「う〜…ベッキョンくんかっこいいよお…」
「はいはい笑」
「めっちゃいい匂いするし…」
「よかったねえ」
「Aのおかげで朝から幸せ〜」
そう。
ハナはべくちゃんのことが好きなのだ。
よりによって何でこんなに可愛い子が
あんな口悪でお調子者でうるさいビーグル犬みたいな奴に惚れたんだろう…
家の方向が同じ私とべくちゃんは
元から一緒に下校することが多かったけど、
ハナがべくちゃんを好きだって知ってからは
私が何とかうまい風に話を丸め込んで、3人で帰るようになった。
「てか、ハナこそ何で告白しないの?」
「私はいーの。まだそんな仲良くもないし」
「ええー…」
「振られるのが目に見えてるもん。私の場合は」
そしたら気まずいし、とハナは小さく笑う。
ハナは可愛いし、ザ・女の子って感じだし
意外といけるんじゃないかなあ、なんて私は思ってるんだけど。
「今は一緒に帰れるだけでじゅーぶん!」
そう言ったハナに、そっかあ、とだけ呟いた。
.
まあ、どんだけ好きでも叶わないもんは叶わない。
重々承知してはいる。
私だってハナと一緒で、凄く付き合いたいって訳でもない。
と。思ってはいたけど。
神様は案外、悪戯がお好きなようで。
結構誰でも、少女漫画のヒロインちゃんに
なれたりするのかもしれない。
それは何の変哲もない日常に、偶然に。
予想もしていなかったタイミングでやって来る。
.
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←ー
229人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆ に | 作成日時:2017年3月28日 2時