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「何で告白しないの〜?」


クラスメイトのハナにこう言われるのも
もう何回目だろう。そろそろ耳にタコができそう。


「むーりーでーすー」

と、答えるのもいつもの事。

ハナは唯一、私がジョンデくんを好きなことを打ち明けた友達である。


「そんなんじゃいつまでたっても友達じゃんかあ」
「だってどーせ好きじゃなくてもオッケーするもん、ジョンデくんは」
「気持ちがないからやだの?」
「うむ。」
「でも彼女になればそれなりに幸せなんでしょ?」
「まあ、そう聞くけどさ…」


それって、どうなの。
例え彼女っていうポジションに立てても
嬉しくない気がする。


「付き合って、好きにさせちゃえばいーのに。」
「そんなんむ…、」


「誰を好きにさせんの?」


突然混じったころっと明るいトーンの声に
思わず肩がびくついた。


「…べ、べべべべくちゃん!?」
「なー数学の教科書借してくんない?」

と、言って眠たそうに欠伸をする仔犬。ビョンベッキョン。
私の幼馴染で、よくこうして隣のクラスから教科書を借りに来たりする。

……お願い聞いてませんように今の話。


「どーぞどーぞ!数学ね!はい!」
「ん。で?」
「はい!?」
「お前って好きなやついたの?」
「いない!!断じて!!」
「…ふーん。」


自分で聞いて来たくせに大して興味が無いらしい。
まあそっちの方がありがたいけど。


「で、今日は?一緒に帰る?」

渡した数学の教科書を綺麗な手でぷらぷら揺らしながら、べくちゃんが言う。


「あ、うん。今日なんもないし帰ろ」
「ハナちゃんも?」
「か、帰ります!」
「おー。んじゃまた放課後な」

ー→←ー



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作者名:ゆ に | 作成日時:2017年3月28日 2時

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