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「あー…」


す、と。ジョンデくんの視線が横に流れる。
その眼は、ほんの一瞬、気怠げに翳った。


「別れたんだよねー、この前」


何ともなさそうに、寧ろそれが必然だとでも言うように
さらりとジョンデくんは言い放った。


「え、別れちゃったの!?」
「うん。別れちゃった」


傷心した様子は微塵もない。
今の会話の何処に楽しい要素があったのか、くすくすと小さな笑い声を零すジョンデくん。


「あんなに仲良さそうだったのに?」
「ん〜?」
「どうして?」
「ん〜」
「喧嘩でもしたの?」
「じゃなくて、」
「うん?」

「俺めんどくさいの嫌いだから」


あくまで穏やかな笑みを崩さずに
ジョンデくんはそう言った。


______うん。
ジョンデくんは、こういう人である。


我が弟同様「チャラい」部類に入るけど
驚くことにセフンよりもタチが悪いのだ。


セフン曰く「いいと思ったから付き合う」のではなく、
来るもの拒まず去る者追わず主義なのがジョンデくん。

つまり、「感情」がない。

ジョンデくんと付き合えば必ず泣かされる。
それでも告白してくる女の子が絶えないのは、相応の「幸せ」もきちんと与えてくれるから。らしい。風の噂だけど。


まさに天使の顔をした悪魔、だ。



じゃあそんな男の何処が好きなのかと問われれば、


「ねージョンデくん」
「ん?」
「レンアイってさ」
「うん」
「難しいよね」
「ぶっ、なにそれ!…うん、まあなかなか上手くいかないよね」



私は真っ先に「一途なところ」と答えるだろう。

それを聞いたら、皆は声を揃えてはあ?って聞き返してくると思うけど、私は知ってる。ずっと見てきたから、分かる。


ジョンデくんも私と同じなんだって、痛いほど分かる。


.

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作者名:ゆ に | 作成日時:2017年3月28日 2時

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