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高順side
主が新しい玩具を見つけたようだ
長年仕えているからこそ、わかる
小猫を見つけたときも楽しそうなお顔をしておられた
…主は"駒"や"玩具"と表現していたが本心はどうなのか
どうも最近はそれ以上の感情が芽生え始めているようにも見えたが…
元々主は気に入った玩具のみでしか遊ばない性質であるため
本当にお気に入りなだけかもしれない…
そう思っていた矢先に主はまた新しい玩具を見つけたのだ
「さて…」
そんなことを考えつつ、私は後宮内を回る
下女の人数は多いといえど、あれだけ目立つ容姿をしているのであれば、数人聞き込みすれば見つかるだろう
そう思った私が甘かった…
どの下女に聞いても"A"という下女は知らないと言う
仕方がなく名簿を確認することにする
が、やはりいないのだ
頭を抱える
下女1人探すのに時間をかけてはいけない
どこかの侍女なのであろうか…
いや、侍女であっても下女であればこの名簿に名前があるはずだ
下女ではない可能性…
他の女官の名簿も確認する
「やはりいないか…では…いやまさか…」
半信半疑で下級妃の名簿に目を通す
"A妃"
見つけた…
しかし、後宮内の手入れをしている主ですら、あの時の彼女がA妃であると見破れなかった
かくいう私も、主について後宮を回っているが、A妃の存在すら知らなかった…
あそこまで顔が整っていれば下級妃にはおさまらないはずであり、主の選出対象に1度くらいはなるであろうに…
「どういうことだ…」
主に報告する前に今一度、自分の目で確認しなければならないと思った
宦官であるとはいえ、1人で妃の部屋に入るわけにもいかず、小猫の手を借りることにした
猫猫「高順さまが私に頼み事とは珍しいですね。でも私も話してみたかったので手伝います」
小猫は二つ返事で着いてきてくれた
小猫としては年が近そうな医学知識を持った彼女に興味を持ったのかもしれない
猫猫「突然の訪問失礼いたします。A妃さまにお伺いしたい事があり…」
A「そろそろいらっしゃる頃かと思っておりました。どうぞ」
中からは間違いなく、あの時の下女の声がした
…が
猫猫「こりゃあ見つからないわけだ」
中にいたのはこの前見た下女とは似ても似つかない女性だった
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シホ(プロフ) - 求めていた壬氏様に出会えました!とても好みの内容で幸せです! (1月4日 14時) (レス) @page45 id: 2de7cdac1e (このIDを非表示/違反報告)
xxximmmmmxxx(プロフ) - ♡ (12月4日 7時) (レス) id: 0c1ea22a5d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2023年12月3日 12時