ep.33 ページ34
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「子犬みたいだ」
すると、その光景を見ていたフレッドは、顎に手を当てながら何やらボソッと呟いた。
「フレッド？何か言った？」
「なんでもない。こっちの話」
Aはフレッドの言ったことが聞こえなかったので聞き返したが、はぐらかされてしまった。
「どうして？教えてよ」
フレッドが何を言ったのか気になったAが、再度聞き返したが、授業開始の時間が近づいていたので、結局聞けずじまいになってしまった。
次の授業は｢闇の魔術に対する防衛術｣だった。
しかし、ニンニクの匂いが漂う教室の中に、ハーマイオニーの姿は見当たらなかった。
当然、真面目なハーマイオニーが授業をサボるなんて考えられなかったAは、すぐさま隣のロンに聞いた。
「ねぇ、ロン」
「なんだよ」
ロンがあからさまにイライラした態度で返事をした。
「ハーマイオニーは？」
「さあ？僕が知ってると思うかい？」
ロンは、全く心配する素振りもなく答えた。
Aは二人が喧嘩していた事を思い出して、その後は何も聞かなかった。
ハロウィーンのご馳走は豪華なものだった。
大広間は、千匹ものこうもりが壁や天井で羽をばたつかせ、くり抜いたかぼちゃの中のろうそくの炎をちらつかせた。
Aが呆気に取られながらグリフィンドールの席に向かう途中、パーバティ・パチルがラベンダーに話ているのを小耳にはさんだ。
「ハーマイオニー、トイレで泣いてるみたいよ」
「私も一人にしてくれって言われたわ」
Aはその話を聞いた途端、女子用トイレへと急いだ。
例えハーマイオニーが一人になりたいのだとしても、Aには放っておくことなど出来なかった。
女子トイレからは、ハーマイオニーのすすり泣く声が聞こえた。
「ハーマイオニー？」
ハーマイオニーはAの声にハッとしてすすり泣くのを我慢した。
「誰？A？」
「うん。その、大丈夫？」
「ええ、大丈夫よ。だから一人にして」
ハーマイオニーは強い口調だった。これくらい強く言えば、Aなら引いてくれると思ったのだろう。
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豆腐 - 面白くて一気に読んでしまいました！更新が楽しみです^_^ (8月7日 13時) (
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作者名：華恋 | 作成日時：2022年3月16日 3時
