太陽と純恋 Ⅰ (ページ22)

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ep.21 ページ22

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入学後最初の授業はマクゴナガル先生の変身術だった。

幻覚で聡明そのものの先生は、クラスにみんなが着席するなりお説教を始めた。

「変身術は、ホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険な科目の一つです。いい加減な態度で私の授業を受ける生徒は出て行ってもらいます」

マクゴナガル先生がそう警告して、かけていた眼鏡を光らせたと同時にハリーとロンが慌てて教室に入ってきた。

「はぁ、はぁ、マクゴナガル先生、遅れてすみません」

ロンが呼吸を整えながらマクゴナガル先生に謝罪を述べた。

「まったく、最初の授業から遅刻だなんて。あなたとポッターを懐中時計に変身させましょうか？そうすれば遅刻しないでしょう」

そう言ってマクゴナガル先生は呆れたようにため息を吐いた。

「道に迷ってしまって」

「では、地図にしますか？地図なしでも席はわかりますね？」

マクゴナガル先生は二人を一喝した後、教卓に戻り授業を始めた。

「あの二人、最初から遅刻だなんてどうかしてるわ」

「うん、ほんとにね」

一番前の席に座るAとハーマイオニーは初っ端から授業に遅れてきた二人に呆れていた。

授業が始まるとマクゴナガル先生は机を豚に変え、また元の姿に戻してみせた。

生徒たちは感激して、早く試したいとウズウズしていたが、そんな希望とは裏腹にさんざん複雑なノートを採った後、一人一人にマッチ棒が配られ、それを針に変える練習が始まった。

授業が終わるまでにマッチ棒をわずかでも変身させることが出来たのは、ハーマイオニーただ一人だった。

マクゴナガル先生は、クラスの皆に彼女のマッチ棒がどんなに銀色で、どんなに尖っているかを見せた後、めったに見せない微笑みをハーマイオニーに見せた。

「すごいね！針に変えたのハーマイオニーだけだよ！」

Aが興奮したようにハーマイオニーを褒め称えた。

するとハーマイオニーは嬉しそうに笑って「ありがとう」と言った。

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